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ザックジャパン初の連敗で豪州戦へ…3-4-3&4-2-3-1併用も零封負け

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[5.30 キリンチャレンジ杯 日本0-2ブルガリア 豊田ス]

 日本代表は30日、キリンチャレンジ杯でブルガリア代表と対戦し、0-2で敗れた。3-4-3でスタートした日本は試合開始早々の前半3分に直接FKで失点。後半開始から4-2-3-1にシステムを戻したが、後半25分にMF長谷部誠のオウンゴールで追加点を許し、最後まで1点を奪うことができなかった。3月26日のヨルダン戦(1-2)に続くザックジャパン初の連敗。日本代表としても3年ぶりの国際Aマッチ連敗を喫し、6月4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)に臨むことになった。

 MF本田圭佑、FW岡崎慎司、DF酒井高徳が合流前の日本は3-4-3のシステムでスタートした。3バックは右からDF吉田麻也、DF栗原勇蔵、DF今野泰幸。左膝半月板損傷から復帰したDF長友佑都、右ふくらはぎ打撲でリーグ戦の終盤2試合を欠場したFW清武弘嗣はベンチスタートとなり、左サイドではDF駒野友一、3トップの右ではFW乾貴士が先発した。栗原は昨年6月12日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(1-1)以来、駒野は昨年9月11日の同イラク戦(1-0)以来、乾は今年3月22日のカナダ戦(2-1)以来の先発となった。
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 ザックジャパンの3-4-3は、11年11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)でリードを許した後半17分から採用して以来。スタートから3-4-3で臨むのは、11年10月7日のキリンチャレンジ杯・ベトナム戦(1-0)以来、約1年8か月ぶりとなった。過去に3バックを採用した4試合はいずれも今野が中央を守っていたが、この日は栗原が初めてセンターを務め、今野は3バックの左に入った。

 これまでに3-4-3で戦った4試合は、208分間で1得点無失点。3-4-3のメリットであるサイドの数的優位を生かした攻撃力を今度こそ発揮したかったが、試合は思わぬ形で幕を開けた。前半3分、ブルガリアは左45度の絶好の位置でFKを獲得。MFマノレフが右足で直接狙ったキックはブレ球となり、GK川島永嗣の逆を突いた。ボールは懸命に腕を伸ばした川島の手を弾いてゴールネットを揺らし、ブルガリアが先制した。

 いきなり追う展開となった日本は前半8分、乾が左サイドからドリブルで強引に突破し、右足でシュートを狙うが、枠を捉え切れない。その後もカウンター気味の速い攻撃でブルガリアゴールに何度か迫ったが、最後の精度と工夫を欠き、なかなか決定機をつくれなかった。

 ブルガリアは先制後も果敢に遠目からゴールを狙った。前半6分には左サイドからのスローインを受けたFWデレフが右足ミドル。同21分にも日本のクリアを拾ったDFヨルダン・ミネフがミドルシュートを放ったが、ここは川島が右手1本で弾き出した。日本は両サイドのスペースを突かれ、3バックも対応で後手に回るシーンがあったが、追加点は許さない。

 日本は前半31分、左サイドからボールをつなぎ、乾のパスを受けた香川が振り向きざまに右足で強烈なシュートを放つが、GKがセーブ。香川がアタッキングゾーンで前を向くシーンが増え、徐々にリズムをつかんでいった。しかし、ゴールを奪うには至らず、無得点のまま前半の45分間が終了。ハーフタイムには4選手を交代し、4-2-3-1にシステム変更した。

 交代したのは駒野、吉田、DF内田篤人、FW前田遼一。代わって長友、清武、DF酒井宏樹、FWハーフナー・マイクがピッチに入った。4バックは右から酒井宏、栗原、今野、長友。2列目は右から清武、香川、乾と、C大阪出身の3選手が並んだ。後半10分、清武が香川とのワンツーから左足でシュート。同12分にも清武、香川、清武、乾、清武と細かいパス回しでゴールに迫るなど息の合ったプレーを見せた。

 慣れ親しんだシステムで試合の主導権を握り、ブルガリアを押し込む日本。香川、清武、乾の3人がいい距離感から次々とチャンスをつくり出す。後半14分、乾の鋭いスルーパスに香川が反応するが、トラップしたところを必死に戻ったDFがカット。同17分には清武のスルーパスから香川がPA内に走り込み、右足でシュートを打ったが、惜しくもDFのブロックに阻まれた。

 ゴールまであと一歩のところまで迫りながら同点ゴールを奪えない日本は後半24分、乾に代えてMF中村憲剛を投入。2列目は右から清武、中村、香川にシフトした。すると、その直後だった。後半25分、右45度の位置でFKを獲得したブルガリアはMFスラティンスキが左足でゴール前に入れ、長谷部が痛恨のオウンゴール。まさかの2失点目を喫し、0-2とリードを広げられた。

 まずは1点を返したい日本だが、後半31分、清武の右クロスに合わせたハーフナーのヘディングシュートはゴール上へ。同33分、MF遠藤保仁の直接FKも枠を外れた。後半35分からは長谷部に代わってMF細貝萌がピッチへ。最後のカードを切って反撃を狙うが、逃げ切り体勢に入ったブルガリアに対し、なかなか攻撃の形をつくれない。後半ロスタイム、清武の右CKからハーフナーがヘディングシュートを放つが、これもゴール上。試合終了間際の中村のシュートもGKのセーブに阻まれ、最後まで1点を奪うことができなかった。

(取材・文 西山紘平)

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