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岡崎追撃弾も及ばず…日本は3戦全敗で終戦

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[6.22 コンフェデレーションズ杯A組 日本1-2メキシコ ベロオリゾンテ]

 コンフェデレーションズ杯は22日、グループリーグA組の最終戦を行い、日本代表はベロオリゾンテのミネイロンスタジアムでメキシコ代表と対戦し、1-2で敗れた。後半9分、21分とFWハビエル・エルナンデスに2ゴールを許すと、後半41分にFW岡崎慎司が2戦連発となる追撃弾を決めたが、あと一歩及ばなかった。日本は3戦全敗で終戦。3試合で4得点9失点という数字を残し、大会を去ることになった。

 日本は19日のイタリア戦(3-4)から先発3人を変更した。累積警告で出場停止のMF長谷部誠に代わってMF細貝萌が今大会初先発。DF内田篤人、DF吉田麻也もベンチスタートとなり、DF酒井宏樹、DF栗原勇蔵がやはり今大会初めてスタメンに名を連ねた。一方のメキシコは19日のブラジル戦(0-2)から先発4人を入れ替えた。
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 レシフェで行われたイタリア戦に続いてベロオリゾンテの観衆も試合開始直後から「ジャポン(日本)コール」を送るなど日本の選手たちを後押しした。日本は立ち上がり早々に、そんなスタンドを沸かせる。前半5分、自陣でボールを奪ったFW岡崎慎司がドリブルで相手の股間を抜き、一気にカウンター。最後はMF遠藤保仁の縦パスを受けたMF香川真司が鮮やかな個人技でDFをかわし、右足でシュート。ここはGKの好守に阻まれたが、いきなりの決定機にスタジアムは大きく揺れた。

 前線から積極的にプレッシャーをかけ、ボールを奪ってからは縦に早い攻撃を見せる日本。酒井宏、DF長友佑都の両SBも果敢な攻撃参加を見せ、序盤の主導権を握った。前半10分には酒井宏のアーリークロスからPA内でMF本田圭佑、岡崎が粘り、こぼれ球をエリア外から遠藤が右足ミドル。ゴール前の岡崎がコースを変え、ゴールネットを揺らしたが、惜しくもオフサイドの判定だった。

 立ち上がりはボール支配率でもメキシコを上回っていたが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。前半17分、栗原の縦パスを受けた岡崎がDFと競り合いながら左足で狙うが、体勢を崩してシュートは枠外。同25分、遠藤の横パスを受けた本田の左足ミドルもGKにキャッチされた。

 すると徐々に日本のプレスがかわされ、メキシコにボールを回される時間が増え始める。ただ、メキシコも決定機をつくるまでには至らず、試合はこう着状態に。前半30分ごろはスタンドでウェーブも起き始めた。劣勢の時間帯にもDF今野泰幸、栗原の両CBがゴール前で体を張って跳ね返すなど、日本の守備陣は集中力を切らさない。メキシコは前半40分、DFトーレスの左クロスからフリーのMFアンドレス・グアルダードがヘディングシュートを放つが、左ポストを直撃。日本は運にも味方され、前半を0-0で折り返した。

 後半立ち上がりもメキシコのペースで進んだ。後半7分、MFジオバニ・ドス・サントスの右CKからファーサイドのFWヒメネスが放ったヘディングシュートはGK川島永嗣が弾く。しかし、同9分、ついに均衡を破られた。メキシコは左サイドでボールを持ったグアルダードが酒井宏との1対1から縦に仕掛け、ゴール前にクロス。後方からフリーで走り込んだFWハビエル・エルナンデスがヘディングで合わせ、ゴールネットに叩き込んだ。

 1点ビハインドとなった日本は後半14分に最初のカードを切る。守備で不安定さを見せていた酒井宏を下げ、内田を投入。同16分には前田が左足を振り抜くが、シュートはわずかにゴール右へ外れた。同20分、前田に代えて吉田を投入し、2枚目のカードを切ると、前線は右に本田、中央に岡崎、左に香川。システムも3-4-3に変更したが、直後の21分に痛恨の失点を喫した。メキシコはドス・サントスの右CKをDFミエルが頭でそらし、ファーサイドのエルナンデスがヘディングシュート。エースの2発で2-0と突き放した。

 またもセットプレーで失点し、2点ビハインドとなった日本。スタンドの観衆もメキシコのボール回しに合わせて「オーレコール」を送り、他会場でブラジルがゴールを決めるたびに大歓声が起こるなど、低調なプレー内容の日本から心は離れてしまったようだった。さらに日本をアクシデントが襲う。後半29分、長友が古傷の左膝付近を抑えるようにして座り込み、ドクターに付き添われてピッチの外に出ると、そのまま歩いてロッカールームへ。同32分、MF中村憲剛と交代となった。

 最後のカードを切り、システムは4-2-3-1に戻った。今野が左SBに入り、2列目は右から岡崎、中村、香川。本田が1トップに入った。後半37分には中村の右CKからニアサイドに飛び込んだ岡崎が左足を伸ばすが、シュートは枠を捉え切れない。それでも同41分、香川からの浮き球のパスをPA内右に走り込んだ遠藤がワンタッチで落とし、岡崎が右足でシュート。GKを弾いてクロスバーを叩いたボールはゴールラインを越えてネットを揺らし、1点を返した。

 日本の追撃弾にスタンドは大歓声。再び「ジャポンコール」が起こる中、何とか同点ゴールを目指すが、なかなか相手ゴールまで迫れない。ロスタイムは5分。前がかりになって必死の反撃に出ると、ロスタイム1分に自陣PA内で内田がエルナンデスを後方から倒してしまい、PKを献上。これをエルナンデスが自ら狙ったが、川島が右手1本で弾いた。こぼれ球に詰めたエルナンデスのシュートはクロスバーを直撃。守護神のビッグセーブに応えたい攻撃陣だったが、最後まで2点目は遠く、そのまま1-2でタイムアップ。日本は勝ち点を得ることができず、3戦全敗に終わった。

(取材・文 西山紘平)

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