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齋藤先制!大迫2発!ザックジャパンが豪州に競り勝ち首位浮上

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[7.25 東アジア杯 日本3-2オーストラリア 華城]

 日本代表は25日、韓国の華城(ファソン)でオーストラリア代表と対戦し、3-2で競り勝った。日本は前半26分、FW齋藤学のA代表初ゴールで先制すると、後半11分にもFW大迫勇也が代表初ゴールとなる追加点。後半31分、34分の連続失点で一時は同点に追いつかれたが、失点直後に大迫が自身2得点目となる決勝点を決めた。1勝1分の勝ち点4に伸ばした日本は首位に浮上。日本は28日の最終戦で韓国代表と対戦し、勝てば自力で大会初優勝が決まる。

 日本は21日の中国戦(3-3)から先発11人を総入れ替え。FW豊田陽平、FW山田大記、MF扇原貴宏、DF鈴木大輔、DF千葉和彦が先発でA代表デビューを飾った。中国戦に途中出場し、代表デビューとなった大迫、齋藤は初先発で、MF高橋秀人も7試合目の出場で国際Aマッチ初先発。DF森脇良太は昨年2月24日のアイスランド戦以来の出場で、先発はやはり初めて。DF徳永悠平は10年4月7日のセルビア戦以来、GK権田修一は10年1月6日のイエメン戦以来の先発で、ザックジャパンでは初出場となった。
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 先発総入れ替えで代表デビューが5人。初先発は9人というメンバー構成となったが、韓国入りして1週間が経ったこともあり、連動性には急造チームを感じさせない落ち着きが見えた。前半8分には齋藤が右サイドを縦に突破。ゴールライン際までえぐって折り返し、山田が右足ボレーで合わせた。惜しくもDFに当たってCKとなったが、同13分にも齋藤とポジションチェンジしていた山田が右サイドからアーリークロスを上げ、こぼれ球を齋藤がシュート。両サイドが起点となってチャンスをつくった。

 そして前半26分、最終ラインの千葉から1本の長い縦パスを受けた齋藤が左サイドからカットイン。キックフェイントでDF2人をかわしてPA内右サイドに切れ込むと、GKのタイミングをズラすように右足でボールを浮かし、ループシュート気味にゴールネットを揺らした。鮮やかな個人技からのA代表初ゴールで日本が先制に成功した。

 前半37分には山田の左クロスから豊田がヘディングシュート。決定的な形だったが、シュートはGKの正面を突く。追加点とはならなかったが、日本が試合の主導権を握ってゲームを進めた。森脇、鈴木の単純なミスからピンチを招く場面もあったが、最後のゴール前では体を張り、集中を切らさない。トップ下に入った大迫がボールを散らしながら、1トップの豊田と近い距離を保ってチャンスメイク。前半44分、大迫のボールキープから豊田の右クロスに高橋が走り込んで頭で合わせたが、ゴール上へ。前半は日本の1点リードで折り返した。

 後半立ち上がりはオーストラリアの反撃に押し込まれる時間もあったが、守備陣が落ち着いて対応。すると後半11分、鈴木からの縦パスを豊田がワンタッチで落とすと、齋藤がスルーし、大迫にボールが渡った。正確なトラップで前を向くと、DFのプレッシャーにもからGKと1対1の形になった大迫は冷静に右足でシュート。齋藤に続く大迫の代表初ゴールで2-0とリードを広げた。

 2点リードを追い付かれた中国戦の二の舞を演じるわけにはいかない日本。直後の後半14分、相手FKからピンチを招くが、こぼれ球を狙ったMFマーク・ミリガンのシュートは至近距離で権田が体を張って抑える。同17分には扇原に代えてMF山口螢を投入。中盤の守備力を高めながら、さらなる追加点も狙った。

 前半からたびたび好連係を見せる豊田と大迫の縦関係の2トップ。後半20分、山口の縦パスを大迫がスルーし、豊田がワンタッチで落とし、大迫がPA外から右足を振り抜いた。強烈なシュートはGKの手を弾き、CKを獲得。初めてコンビを組んだとは思えないコンビネーションを披露した。

 日本は後半29分、齋藤に代えてFW工藤壮人を投入し、2枚目のカードを切った。同31分には大迫が左サイドに展開し、山田がゴール前にクロス。DFの頭上を越えてきたボールに豊田が頭で合わせたが、またも枠を捉えることはできなかった。

 すると直後の後半31分、一瞬の隙を突かれて失点した。オーストラリアのロングボールからクリアが小さくなり、こぼれ球を拾ったFWニコルズがスルーパス。FWデュークがゴール前に抜け出し、右足でゴールネットを揺らした。さらに3分後の後半34分にも縦パスを受けたFWユリッチが強烈な左足ミドル。わずか4分間で2-2の同点に追いついた。

 まさかの連続失点を喫した日本だったが、攻撃陣がすぐさま意地を見せた。失点から1分も経たない後半34分、工藤のパスを豊田がダイレクトで落とし、大迫が右足を一閃。豪快なミドルシュートをゴール左隅にねじ込み、3-2と勝ち越した。ザッケローニ監督は後半37分、最後の交代枠を使い、千葉に代えてDF栗原勇蔵を投入。何とか3失点目を喫することなく、そのまま3-2で逃げ切り、今大会初勝利で首位に立った。

(取材・文 西山紘平)

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