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本田が追撃の直接FK弾も…日本はウルグアイに4失点完敗

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[8.14 キリンチャレンジ杯 日本2-4ウルグアイ 宮城ス]

 日本代表は14日、宮城スタジアムでウルグアイ代表と対戦し、2-4で敗れた。ウルグアイは前半27分、FWルイス・スアレスのアシストからFWディエゴ・フォルランが先制点。同29分にフォルランが直接FKを決めると、後半8分にはスアレスが追加点を奪った。日本は後半9分、FW香川真司のゴールで1点を返すが、同13分に4失点目。後半27分、FW本田圭佑が直接FKを決めて意地を見せたが、2-4の完敗に終わった。

 6月のコンフェデレーションズ杯を戦った常連組に7月の東アジア杯で初優勝に貢献した新戦力が加わった日本は東アジア杯組から唯一、FW柿谷曜一朗が1トップで先発。2列目は右からFW岡崎慎司、FW本田圭佑、FW香川真司と並んだ。DF長友佑都は右太腿痛の影響でベンチスタート。DF酒井高徳が3月26日のW杯アジア最終予選・ヨルダン戦(1-2)以来、約4か月半ぶりに先発した。
 ウルグアイはスアレス、フォルランらが先発。6月のコンフェデレーションズ杯準決勝・ブラジル戦の先発メンバーのうち、来日していないFWエディンソン・カバーニ、MFリオスを除く9人がそのままスタメンに名を連ねた。
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 立ち上がり早々にCKのピンチを招いた日本だが、ここは落ち着いて対応。前半3分には柿谷のポストプレーから香川が左サイドを抜け出し、ゴール前に折り返したが、岡崎にはわずかに合わない。同5分、長谷部が思い切りよくミドルシュート。同10分にもMF遠藤保仁が左サイドに展開し、オーバーラップしてきた酒井がクロスを送ったが、ゴール前の岡崎は合わせ切れなかった。

 積極的に攻撃を仕掛ける日本だが、ウルグアイは前半12分、MFニコラス・ロデイロのスルーパスにスアレスが反応。ゴール前に抜け出し、GKと1対1の決定機を迎えたが、果敢に飛び出したGK川島永嗣がビッグセーブを見せた。日本も同17分右45度の位置から本田が直接FKを狙うが、ブレ球のキックはGKフェルナンド・ムスレラに弾かれた。

 スアレス、フォルランの2トップの動きをなかなか捉え切れない日本。すると前半27分、ウルグアイは自陣からの1本の縦パスでスアレスがまたも最終ラインを背後を取る。左サイドからドリブルで中に切れ込み、マイナスの折り返しをフォルランが右足で押し込んだ。ウルグアイの背番号10の先制点。さらに2分後の前半29分にもフォルランが左45度から鮮やかな直接FKをゴール右隅に流し込み、2-0とリードを広げた。

 連続ゴールで2点ビハインドを負った日本は前半33分、柿谷がハーフウェーライン付近でボールを奪い取る。素早くヒールで岡崎につなぐと、ドリブルで駆け上がった岡崎から柿谷にスルーパスが通った。ボール奪取から一気にPA内まで進入した柿谷。しかし、右足のシュートはGKのセーブに阻まれた。

 チャンスを生かせなかった日本に対し、ウルグアイは攻勢を緩めない。前半32分、酒井のバックパスを奪ったスアレスが左サイドを駆け上がり、マイナスのパスをMFアルバロ・ゴンサレスが右足ミドルで狙ったが、ゴール上へ。同35分には中央からドリブルで仕掛けたスアレスがDFを引き付け、左サイドでフリーのフォルランへパス。フォルランが右足を振り抜いたシュートは川島がパンチングで弾いた。

 ウルグアイの強力2トップに対応が後手に回る日本の守備陣。終盤は防戦一方となり、前半42分、フォルランの左CKをDFディエゴ・ゴディンがバックヘッドでそらすと、ボールは遠藤の頭に当たってクロスバーをかすめた。同45分にも酒井のパスをインターセプトしたMFクリスティアン・ロドリゲスがスアレスに預け、リターンを受けたロドリゲスが左足でミドルシュート。これも何とか川島が弾き出し、前半を0-2で折り返した。

 後半立ち上がりは日本が勢いを持ってウルグアイを押し込んだ。後半2分、川島からのパントキックをDFがクリアしたボールが香川に当たって跳ね返る。これが岡崎につながり、GKと1対1の決定機となったが、シュートはGKがセーブ。こぼれ球を拾った香川のシュートもGKの正面を突いた。

 すると後半8分、今度は日本のクリアミスから3点目を奪われた。ウルグアイはDFマキシミリアーノ・ペレイラが右クロス。下がりながらの対応となったDF吉田麻也のクリアが小さくなり、PA内のスアレスが拾って右足で強烈なシュートを叩き込んだ。

 3点差を付けられた日本も直後の後半9分、左サイドでキープした遠藤が中央に入れ、本田のワンタッチの浮き球パスに反応した岡崎がゴール前に飛び込む。相手DFとGKも詰めてきたが、ボールはフリーの香川の前にこぼれ、香川が難なく押し込んだ。

 1点を返した日本は後半11分、失点に絡んだ吉田に代えてDF伊野波雅彦を投入。しかし、守備の崩壊は止まらない。ウルグアイは後半13分、ロデイロの浮き球のスルーパスからロドリゲスがPA内左に抜け出し、ゴールを空けて飛び出してきた川島よりも一歩早く頭上を越す山なりのクロス。これをゴンサレスが頭で押し込み、4-1と再び3点差に突き放した。

 日本は後半19分、柿谷に代えてFW豊田陽平を投入。大量4失点にも攻撃陣は気持ちを切らすことなく、反撃に出る。後半24分には本田が果敢にミドルシュート。攻守が目まぐるしく変わる展開にピンチも続いたが、リスクを冒してゴールを狙った。すると後半27分、本田が右45度の位置でFKを獲得。左足で回転をかけたキックは壁の上を越えてドライブ回転がかかり、ゴールに吸い込まれた。本田が代表戦で直接FKを決めたのは2010年6月24日の南アフリカW杯グループリーグ最終戦のデンマーク戦(3-1)以来、約3年2か月ぶり。2-4と2点差に追い上げた。

 後半30分にMF長谷部誠に代えてMF山口螢、同38分にはDF内田篤人に代えてDF駒野友一をピッチに送った日本。最後までゴールを目指すが、後半37分、香川のクロスに合わせた本田のボレーシュートは大きく枠を外れる。同39分には駒野の左クロスに岡崎が滑り込みながら左足ボレーで合わせたが、ゴール左へ。後半ロスタイム、香川の右足ミドルもGKに阻まれ、2-4のままタイムアップを迎えた。

(取材・文 西山紘平)

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