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日本vsガーナ 試合後の選手コメント

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[9.10 キリンチャレンジ杯 日本3-1ガーナ 日産ス]

 日本代表は10日、キリンチャレンジ杯でガーナ代表と対戦し、3-1の逆転勝利を飾った。前半24分に先制を許したが、後半5分にFW香川真司が同点ゴール。後半19分にMF遠藤保仁の2試合連続ゴールで勝ち越すと、同27分にはMF本田圭佑の3戦連発弾で試合を決定づけた。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―貴重な同点ゴールだったが?
「ああいうシュートが入ったのは一つ自信になる。あとは勝てたことがよかった」
―相手の右SBがかなりマークに来ていた?
「来ていたから(長友)佑都をうまく生かすというか、入れ替わるようにやれればと思っていた。何本かいい感じでやれたけど、ミスもあった」
―積極的にシュートを狙った?
「攻撃のときは切り込んでシュートというイメージがあった。そこは空いていたし、そこを突けた。中に入ったとき、DFがいなくて、もう一つ持ち込んでシュートを打てた。気持ち的にゴールは常に自信をもたらしてくれる。クラブと代表では場所は違うけど、いい形で帰れる。これをクラブで継続して、チャンスが来たときに結果を残せるようにしたい」
―得点後はそれほど喜んでいなかったが?
「前半、自分のミスで失点した。チームとしても無失点で終えたかった試合。ああいう簡単なミスをしてはいけない。その責任もあったし、逆転しなきゃいけないと思ってすぐに気持ちを切り替えた」
―ハーフタイムはどんな心境だった?
「自分で自分にプレッシャーをかけた。これを乗り越えられるかと。前半は相手に疲れもあってスペースも空いていた。ラインもバラバラだった。ただ、自分たちの距離感が遠くて、メリハリがなかった」
―ゴールは相手の股を狙った?
「コースは狙ったけど、うまく股を通った。ニアを狙おうと思っていたけど、股までは考えてなかった。正直、シュートシーンはあんまり覚えてない」
―これまでは考え過ぎていた?
「試合をやっていないから、緊張感のある中でやれたのはいいことだし、自信や勢いを取り戻すためにもゴールを取りたかった」
―意地もあった?
「僕は今を見ているわけではない。今、(クラブで)試合に出ていないことは大きな問題かもしれないけど、帰ってからチャンピオンズリーグもある。(直近のリバプール戦で)チームも負けている。チャンスは絶対に出てくると思っている」

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
―前線でいいコンビネーションを見せたが?
「形はよかったけど、個人的なミスが多くてチームに迷惑をかけた」
―本田へのパスは決まったかと思ったが?
「ちょっと強かった。ゴールに向かってトラップできずに(クロスのタイミングが)ちょっと遅れた。ゴロで通せれば、(本田)圭佑くんも(ボールが)手前で伸びて、(シュートが)上に行くこともなかったと思う」
―ガーナのディフェンスは?
「球際は強いけど、マークはほとんど外れている。前への強さは多少感じたけど、こういう相手ならもっとおさめないといけない。90分ずっとプレッシャーをかけてきたわけではないし、相手もバテていた。もっと上を目指すなら、ミスなくやらないといけない。そういう面では個人的にはすごいミスが多くて、反省の試合かなと思う」
―もっとボールに触りたかった?
「そうですね。でもやっぱりバイタルのところへ僕が行っちゃうと、シャドーの3人の良さが消えると思う。なるべくオフサイドラインぎりぎりのところで駆け引きすることを自分の中で決めていたし、監督からも言われていた。ただ、ボールの呼び込み方や、タイミングは早すぎたことがあって、オフサイドにかかってしまった。そこは合わせないといけないと思う」
―あまり下がりたくなかった?
「チームコンセプトとして、僕があそこを引っ張るからバイタルが空くということ。それにイライラしていたらチームのために戦っているとは言えない。空いたスペースでプレーする選手がシュートを打った後のこぼれ球や、壁になることを意識してやっているところ。ただ、そこのミスが今日は正直目立ってしまった」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「僕の形ではなかったけど、ゴールはゴール。うれしく思っている」
―W杯に向けて1月の移籍は考えているか?
「将来のことは考えていない。今はロシアプレミアリーグ、チャンピオンズリーグのことしか考えていない。自分にはチャレンジが必要だと考えている。冬にはたくさんのチョイスがあると思う。できるだけ多くのクラブを比較したい」
―ガーナの身体能力は?
「身体能力のところは世界レベルだと感じた。相手に読まれたり、フィフティーフィフティーになると、その差を見せつけられる。だからと言って1対1で勝てないと言っているわけではない。タイミングよく仕掛けることができれば、相手を抜くことも抑えることも可能。タイミングよくとか、相手の逆を突くとか、そういうのはこのレベルでしか経験できない。そういうのに慣れている選手、慣れていない選手が見受けられた。そのレベルに慣れるのに難しいリーグでやっている選手もいるけど、今日感じたスピードを忘れないように意識して取り組むことが大事。普段からどれだけ完璧を求められるか」
―ゴールが続いているが?
「前半、外していたので。ちょっと焦ってはいた。(香川)真司の素晴らしいゴール、ヤットさん(遠藤)のゴールで2-1になって。失点はアクシデントみたいなところもあった。終始、試合をコントロールしていたと言っても過言ではないと思う。イメージとしては、この内容で勝てなかったらきついなと」
―試合をコントロールできたのは高い位置から守備ができていたから?
「一つにはその要因もあると思うけど、試合を支配できるかどうかにはいろんな要素が絡んでくる。総合力という意味で、チーム力や組織力は確実に日本のほうが上だった。ただ、個々を見たらどうだったのか」
―今回の2試合は守備もテーマになっていたが?
「失点は不運な部分もあって、どう評価していいか分からないけど、終始、危ない場面はほとんどなかったと記憶している。相手に嫌なアイデアを出す選手が一人、2人いて、アクセントを加える選手がいたら危ない場面をつくられていたかもしれないけど、それを話してもしょうがない」
―ネガティブなことではなく、攻撃陣がしっかり点を取り続けているポジティブな面を取りあげるべき?
「僕が言ってみなさんが協力してくれるなら毎日話しますけど。オリンピックも決まりましたし、みんなで力を合わせて前を向いていきましょうか(笑)」
―東京五輪は意識する?
「報道では僕が出たいと言っていたことになっていたけど、僕は一度も出たいとは言ってない。ただ、出ようかなと考えさせる大会であるのは間違いない。それまで現役を続けようかなと思うきっかけとなる大会。それは僕だけでなく、他の競技の選手たちにとっても同じだと思う。そのころ23歳ぐらいになる選手たちにとっては、このうえない大会でしょうね」
―柿谷、香川との連係は良くなったのでは?
「確実に良くなっていると思いますよ。僕は何回も言っていますけど、世界に近づいているかどうかは、いかに勝つかだと思う。今日の失点に関して言うと、不運な部分もあったんでどう評価していいかわからないけど、終始危ない部分はそんなになかったと認識しています。ただ、あの身体能力に加えて、嫌なアイデアを出す選手がもう1人2人いれば。それがガーナかもしれないけど、アクセントを加える選手がいたら、もしかしたらカウンターとかで危ないシーンを作られていたかもしれない。まあ、今日に関しては非常に良かったと思う」
―香川の同点弾が良かった?
「正直、真司のゴールはすごいなと。僕もああいうゴールが決められたら、年間15点くらい決められる」
―今夏の移籍は成立しなかったが、今後は?
「まずはチームとして最大の成果を挙げられるように、僕に与えられた役割をこなして、ハイレベルなものを作れるようにしたい。それは得点だったり、新しい姿だったりする。これからチャンピオンズリーグも始まるし、ロシアリーグもあるし、CSKAに戻って気を引き締めて準備していきたい。前にも言ったが、こういうことは日常茶飯事。残念ではありますけど、次に向かっているし、たぶん皆さんが思っている以上に、僕は残念に思っていないです。皆さんのほうが過剰に、僕がどれだけ次へ向かうことを切望しているかを報じているのではないかと。以前からずっと言っているし、行きたいは行きたいですけど、今の環境での残り4カ月にも非常にいい試合が何試合も組まれている」
―南アでは1トップだったが、ブラジルではトップ下になっていくのでは?
「攻撃的なポジションであればどこでもいいですが、自分が一番生きるのはトップ下だと思う。そこで結果を出し続けることが起用してもらえる最大の要因になると思う。レギュラーを確立されているとは思っていませんし、新しい選手もどんどん入ってきていますので、競争に勝ち残っていきたいと思う」


●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
「先制されてから逆転して勝つのは久々なので、勝てたことに関してはよかったけど、試合自体を見ると前半はガーナが非常によかった。自分たちもいいチャンスはつくれたけど、なかなか点を取れなくて、悪い取られ方をしてカウンターでやられた。ゲーム運びとしてはよくなかった。後半はガーナが落ちたというのもあったけど、しっかり3点取って勝てたのは大きい。自分たちはもう少し試合巧者にならなければいけないのかなと」
―守備の意識は高かった?
「前半は相手リードで終わったけど、ゲーム内容としてはいいチャンスをたくさんつくっていた。ただ、悪いボールの取られ方をしてカウンターというのも2、3回あって、2、3回で1回やられるというのは確率が高すぎる。カウンターの部分はもう少しやっていかないといけない」
―カウンター対策はやっていた?
「ポジションだったり、人数が足りなかったら遅らせるとか、そこの部分が失点のシーンはできた」
―シンプルな攻撃で点を取れたように見えたが?
「相手もルーズになっていた。サイドで1回起点をつくってから中で仕留めるという部分では、中、中じゃなくて外から中に入っていい形をつくれたと思う。シュートを打っていこうというのは、試合を通してあったと思う」
―ウルグアイ戦に比べてチームとして準備ができていた?
「コンフェデレーションズ杯、ウルグアイ戦で出た課題を8日間という中で練習して、意思統一がハッキリできた。トップチームとやって出た課題が、ここにきて意味のあるものになったのかなと」
―一番変わったことは?
「前線からの守備はだいぶ変わった。前線の選手の守備の意識は間違いなく変わっているし、ボールを取られたあとの切り替えも早い。パスコースを限定してくれるというのそう。そのあたりは確実に変わったと思う」
―自信を取り戻すきっかけになった?
「守備の部分ではそうですね。攻撃の部分ではトップチーム相手にもいい形をつくれていた。この2試合もいい形をつくれたし、そこの部分の自信は変わらずある。守備の部分で全員が同じ意識で2試合できたのは自信を取り戻すきっかけになるんじゃないかなと。10月、11月の試合でどうかという部分はありますけど」
―競争は生まれている?
「競争は間違いなく活性化してきている。僕があまり一緒にプレーしたことのない選手がたくさん入ってきた。彼らの力は素晴らしいものがある。今回入らなかった選手も、もっともっとこのチームに入ってこれる力があると思う。チームとして競争が高まっていると思う」
―欧州遠征に向けてテーマは?
「継続ですね。この2試合でできたことをアウェーの地で継続してできるか。どれだけ自分たちのゲームができるか。チャレンジになる。セルビアもいいチームだし、楽しみ」

●MF清武弘嗣(ニュルンベルク)
―前半に決定機があったが?
「決めたかった。あれを決められずに、すぐに決められた。ああいうのを決めておかないと先制される。ダメだなと」
―ガーナの身体能力は?
「速かったぐらいで、あんまり大きくもなかった」
―いい形で攻撃ができた?
「もっともっとこれからよくなる。守備は(失点した)あの1本だけだし、他は危ない場面もほとんどなかった。チームとしてバランスを保てたと思う。左サイドから攻撃すると試合前から言われていた。もう少し右サイドで崩せればよかった。(内田)篤人くんとの関係は悪くなかった。もっとレベルを上げて、FWとも連係していければ」

●DF長友佑都(インテル)
―自信がつく試合だった?
「みんなが我慢して、攻撃でもいい形が出せた。思ったよりガーナが攻めてこなかったので。チームとして収穫のある試合だったと思う」
―一番の収穫は?
「(柿谷)曜一朗、(本田)圭佑、(香川)真司が上手く絡んで、攻撃のバリエーションを多くつくれていた。今後につながると思う」
―点が入らない中でジリジリすることはなかった?
「真司の得点が入って、チームの流れ的にももう1点取ろうと。攻撃の選手が3点取ってくれたので褒めてほしい。素晴らしいプレーをしてくれた」
―周りの選手の守備の対応は?
「フィジカルで局面で負けている部分も多々あった。それをアフリカの選手だからしょうがないで終わらせちゃうと、伸びしろという意味では難しいと感じている。『フィジカルで負ける』というメンタリティーから変えていかないと。フィジカルで相手が強くても、メンタル的には『絶対に止めてやるんだ』という気持ちを一人ひとりが持てれば。今日みたいにやれる部分もあるので、強い自信を持ってやってほしいし、僕自身もやっていきたい」
―ガーナを警戒して試合に入った?
「09年にガーナとやって、フィジカルの強さがスゴイ衝撃的だったのに、今では負ける気がしない。もちろん抜かれたシーンもあるから、そこは謙虚さを持たないといけないけど。それはガーナがよくなかったのか、自分が成長したのか、僕自身分からない」
―成長したと自信を持てない?
「ガーナは主力の選手が来ていないので。ただ、フィジカル的には彼らが(主力選手より)劣っているとは思わない。だからちょっと分からない。僕もまだまだ成長しないと。口ばっかりではしょうがないので。若手も付いてこないし。もっともっと成長していかないといけない」
―チームとしての課題は?
「たくさんあり過ぎて一つに絞れない」
―勝てなかった時期から上向きになってきている?
「正直、相手が……。僕自身、09年の衝撃がなかったので。チームが成長しているのかと言われると、イエスとは言えない。ブラジルだったり強豪とやったときにコンフェデと違う試合ができれば成長したと思える」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「そんなにピンチではないところから失点してしまった。引き続きの課題」
―前半はリードを許していたが?
「もうちょっと前半はテンポアップして前線にボールをつけたかった。仕掛けるようなパスを出していなかいといけない」
―慎重になっていた?
「慎重になった部分もある」
―相手が日本にマンマークをつけてきた。
「人についている分、連動して動けば背後にスペースができる。実際、背後にスペースができていたので、自分がパスを出せればよかった」
―自身の出来は?
「今日に限れば基本的には通じたと思う。主力がいたら、より組織をまとめないと戦えない。相手が単調だったので狙いどころは定めやすかった」
―守備は改善されている?
「前進はしている。悪いときには(前進は)しないので。試合後に今ちゃん(今野)とももっとよくなると話した。自信を持ってパフォーマンスを出し切りたい」
―もっと強いところとやりたかった?
「W杯予選があるし、まあ、限界でしょ」
―よくなっている部分は?
「ファーストディフェンダーのところでファウルででもつぶしてくれるのは助かる。本田さんなんかやってくれたし」

●DF今野泰幸(G大阪)
―失点のシーンはミスからだったが?
「ミスはあるし、みんなも戻って対応できていた。なんとか抑えないといけなかった。他にもミスからカウンター気味に危ない場面をつくられていた」
―アフリカの身体能力は感じた?
「自分も1対1になって抜かれた場面もあったけど、ボランチとかみんなが戻ってくれた。組織で守ることはまずまずだったかなと思う」

●DF槙野智章(浦和)
―10秒余りのプレータイムだったが?
「でも出られて良かった」
―終了の瞬間、両手を上げてガッツポーズしていた。
「僕も一緒に戦っていましたから」
―合宿中のトレーニングでの手応えはどうだった?
「どうでしょう。ただ感じるだけではなく、もっとやっていければと思っていた。練習では3バックもかなりやったし、ポジションも左のアウトサイドやストッパーなど複数やった。複数のポジションをやれたのは良かったと思う」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―失点場面はノーチャンスだったと思うが?
「DFにも当たっているし、失点シーンだけじゃなく、ここのところ自分たちのペナルティエリア内で中途半端になったところで、相手に2次的に攻撃されることが多い。そのあとは多少、意識的にそういうところはハッキリやるというところがでてきたから、失点のあとはチームとしていい形でできたと思う。ただ、今日の試合だけじゃなくて相手の2次攻撃を防ぐという意味でも、失点を防ぐという意味でも、どれだけハッキリできるか。今までもそうだけど、DFだけじゃなくてFWも意識することが重要になってくる」
―守備が課題になっていたと思うが、この2試合はどう感じているか?
「今日の前半も、いい形で自分たちが守備できていたかというとそうでもない。ハーフタイムにお互い話して、前と後ろでコミュニケーションを取っただけでも、後半はうまくやれるようになった。ここのところ、失点が多くてチームとしてもなかなかうまくいかないところもあったけれど、こういうのは本当に積み重ね。1試合を無失点で終えたから全てが解決したわけではないから、1試合1試合積み重ねていくことが大事だと思う」
―ゴールを決めた選手とはベルギーリーグでやったことはあった?
「アンデルレヒトとはまだ対戦していないので、やっていない」
―この2試合で悪い流れを切ってリスタートできたという印象は?
「それは僕たち次第だと思うし、今日一番大事だったのは結果と自分たちが今まで守備でも攻撃でも自分たちの形を取り戻せるかっていうことだったと思う。ただここからもう1回自分たちがリスタートできるかどうかっていうのは、また次の試合で自分たちが同じようにチームとしてどういう気持ちをもってやれるか。ここ2試合勝てたってことは非常に大きなことですけど、また10月11月と試合がある中で、僕たちが同じようにどれだけチームとして完成度を高める意識を持つかが大事」

(取材・文 西山紘平、奥山典幸、矢内由美子)

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