[10.11 国際親善試合 セルビア2-0日本 ノビサド]

「相手もコンパクトにやっていた。僕にもマークがタイトで、なかなかいい形で攻撃ができなかった」

　DF長友佑都(インテル)は唇を噛んでいた。

　インテルの元同僚であるデヤン・スタンコビッチの引退試合ともなったセルビア戦。ボランチで先発したスタンコビッチが前半11分に交代でピッチを去る際は、日本チームの仲間とともに整列してスタンコビッチと手を合わせ、レジェンドをねぎらった。

　その後は真剣勝負モードに切り替えたが、ギアチェンジがうまくできたのは相手の方だった。日本はボールを保持する時間こそ長くなったが、効果的な崩しができず、長友もサイドをえぐったあとにボールを失うことが増えていった。

「中は硬かったので、みんなでサイドから崩していくということを話していたけど、相手のサイドに人数が多くて、なかなか数的優位をつくれなかった」

　それでも何とか守備で耐え、0-0のまま推移していた後半14分。セルビアにセットプレーの流れからチャンスをつくられると、右サイドから仕掛けてきたMFバスタに長友があっさりと縦に抜かれてエリア内への進入を許し、MFタディッチに先制点を決められてしまった。先制したセルビアはその後、守備ブロックを敷き、日本はこれを崩すことができなかった。

「自分のミスで失点に絡んでしまった。しっかり反省しないといけない。結果は僕らの力不足。今日これから一度冷静に考えてみて、みんなでしっかり話し合いながらやっていきたい」

　難しい表情を浮かべながらスタジアムを去って行った長友。ベラルーシ戦までに答えを見つけることができるか。

(取材・文　矢内由美子)