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予期せぬ先発、西川「素直にうれしかった」

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[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]

 自分自身も驚く先発出場だった。9月6日のグアテマラ戦以来、4試合ぶりにゴールマウスを守ったGK西川周作(広島)は試合前のミーティングで先発を告げられた。

「予感はまったくなかった。素直にうれしかった」。オランダとは05年6月にオランダで開催されたU-20世界ユース選手権(現・U-20W杯)、08年の北京五輪でも対戦。結果はいずれも敗戦だったこともあり、「あのときは負けて悔しい思いをしていたので、A代表としてオランダとアウェーでできたことは非常にうれしかった」とリベンジに燃えていた。

 前半13分、DF内田篤人からのバックパスが弱くなり、ミスから先制点を奪われた。「ああいうミスをカバーするのがGKだし、カバーできなかったことの方が悔しかった」。同39分にはFWアリエン・ロッベンの鮮やかなミドルシュートで2失点目。「やはりパンチ力があるなというのと、ロッベンのシュートもワールドクラスだなと感じた。ああいうシュートを止められるGKになっていきたいと思った」。2失点という結果は悔しいが、それらもすべて試合に出たからこそ味わえたことだ。

「いつも(チームメイトが)感じているんだなというものを自分もピッチで感じられた。前半で2点を入れられて、屈辱的な気持ちを試合で感じられたのは逆にうれしかった」。あらためて試合に出ることの喜び、日本代表としての誇りをかみ締めた。

「こういうアウェーでA代表として試合をしたことがないので、やっと経験できたことが素直にうれしかった。今日は楽しもうと思っていた。こういう機会は自分にはなかなかなかったので、とにかく自分の持ち味を出すことだけを意識してやった。勝てればベストだったけど、まずはこういう経験ができたことがよかった」

 自分の特長であるフィード、ビルドアップでも積極的にチャレンジした。「ロングボールを蹴るより、極力、自分の持ち味であるつなぐ意識を出したかったし、DFとも話して今日はビルドアップでも自分を出せたと思う。こういうピッチ上でしっかりできたことは自信になる」と手応えもつかんだ。

「本当に楽しかった。(試合が)もっと続けばいいのになと思っていた。でも、それはこれから自分が勝ち取ることだと思っているし、この経験を生かしていきたい」。欧州のピッチで、世界の強豪であるオランダとの対戦を通じて体感することができた貴重な経験を今後につなげていくつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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