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日本vsオランダ 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]

 日本代表は16日、ベルギー・ゲンクのクリスタル・アレナでオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。前半12分、39分と失点した日本だが、前半44分にFW大迫勇也のゴールで1点を返すと、後半15分にはMF本田圭佑が同点弾。過去2戦2敗のFIFAランキング8位の強豪に対し、2点ビハインドを追いつき、ドローに持ち込んだ。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―後半は日本の良さが出ていたが?
「後半だけでなく、90分を通してどこまで自分たちの狙いができたかを話したい。前後半を通じて、狙っていたプレーを高い精度とスピードを持って出せたと思う。選手には、監督としてやってほしいプレーのリクエストや指示を出すが、選手のコンディションによって素晴らしいときもあれば、そうでないときもある。守備だけにならず、守備と攻撃の両方をやってほしいと話した。前半はピッチの中央やサイドで積極的に攻撃が仕掛けられたと思うし、アグレッシブにボールを奪いに行けた。後半はスペースが生まれてくる中で、中盤を制圧して我々のペースで試合を進めることができた。オランダという力があるチームに対して、ここまでできたのはそう簡単なことではないと思う」

―ボランチで山口をフル出場させたのは?
「理由は2つある。まず山口をテストしたかったということ。このような試合で新しい戦力を試すのは当然のこと。2つ目の理由は3日後にベルギー戦があり、中盤のポジションに負担があるので、ローテーションを考えた」

―後半、ナイジェル・デ・ヨングが外れてやりやすくなったか?
「前半はゲームの流れを読みながらの戦いだった。相手がどう出てくるか、探りながらやっていた。後半はそういうものがなくなり、よりダイナミックで、攻撃的にスペースを生かす戦い方をした。デ・ヨングがいなくなった影響かどうかは分からないが、日本がよりダイナミックに前に出るようなったことが大きかったと思う。チームにはボールポゼッションを高めて主導権を握るよう指示したが、オランダも自分たちが主導権を握ろうとしていたので簡単ではなかった。それに負けることなく、自分たちで試合を進めようと指示し、選手は実行してくれた」

―オランダのファン・ハール監督が「後半になって日本のプレッシャーに対抗できなかった」と言っていたが?
「親善試合では結果よりも内容の方が大切だと思っている。内容が伴うことで自分たちの自信が深まるからだ。ファン・ハール監督がそういうコメントを残したのであれば、それは喜ばしいことだ」

―ベルギー戦に向けて修正する点は?
「(ベルギー戦まで)日数が少ないので、どこまでコンディションを回復できるかをまず考えたい。今日のような試合をするには、選手のフィジカルコンディションが高くないとできない。まずは選手のコンディションをチェックしたい。当然、チームには集中力を緩めることなく次に向かってほしいが、ベルギーはオランダよりもフィジカルが強く、手数をかけずにゴールに迫ってくる。切り替えて準備したい」

―香川、遠藤を後半から起用したのもローテーション化? ハーフタイムの指示は?
「ハーフタイムには『前半同様にチームの狙いを出し続けよう』と指示した。狙いはハマッていたので、それを継続し、より高い精度とスピードを出すように要求した。後半だけでなく、前半のパフォーマンスも良かったと思う。ローテーションについては、今日の試合でもオフザボールで積極的に仕掛け、疲労した選手も多い。火曜日の試合に向けて、何人かメンバーをいじらなければならないと思う」

―オランダは世界のトップチームだと思ったか?
「これまで常連とされてきた国に加え、コロンビアやベルギーも世界のトップに入ってきている。オランダは歴史的に見ても、これまで世界の主役を演じてきた国の一つ。独自のサッカー文化を持っていて、独自の哲学を前に進めているサッカー大国だと思う。ただ、常に結果が出ないというか、最後の最後で2位に甘んじるところもある。メンバーや戦力を見れば、W杯で上位に行けるだけの力は備わっていると思う。今日もファン・ペルシーはいなかったが、チームワークが優れ、これほど経験のある監督が率いているのだから、W杯でも上位を狙える戦力を持っていると思う。そんなオランダと対戦し、良い経験ができた。本大会でも、これぐらいの実力のチームがグループリーグで2つ入ってくる可能性も十分にある」

―10月と違ってアグレッシブにボールをつないでいたが、何か話し合いがあったのか?
「まず、選手は常にトップフォームでいられるものではない。監督としては、違ったチームでやっている選手たちにいかに代表のやり方を浸透させ、どれだけ合わせられるかが重要になる。積極的にボールに関わり、主導権を握り、オフザボールのプレーを多く出すことで勇気を持ったプレーをするべきだと考えているが、それが常にできるわけではない。親善試合で集中を欠いたり、コンフェデレーションズ杯のブラジル戦のように相手をリスペクトしすぎたりして、自分たちの良さを出せないこともある。我々が目指すべきサッカーのモデルは、W杯予選のホームのヨルダン戦とオマーン戦、札幌での韓国戦、そしてコンフェデレーションズ杯のイタリア戦だ。この4試合の特に前半は日本の目指すべき道であり、それがチームスタイルのモデルになる。いかにそれを目指してパフォーマンスにできるかが今後の課題となる」

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