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[クラブW杯]コリンチャンスを警戒するベニテス監督「決勝は何が起こるか分からない」

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[12.13 クラブW杯準決勝 モンテレイ1-3チェルシー 横浜]

 モンテレイに3-1と快勝したが、ラファエル・ベニテス監督に、慢心した様子はまったくなかった。2005年にはリバプールを率いて、10年にはインテルを率いて、クラブW杯の決勝を2度戦った経験を持つベニテス監督は「(決勝に向けて)自信を持つことは難しい。決勝は何が起こるか分かりません。コリンチャンスは強いチームです。良い準備をして、ベストを尽くしたい」と語るにとどめた。

 この試合、ベニテス監督はDFダビド・ルイスを中盤で先発起用し、終了間際にも2列目でプレーすることの多かったビクター・モーゼスをFWに置くなど、多くの選択肢を試した。11月下旬にチェルシーの監督に就任したばかりのスペイン人監督は、選手たちにさまざまな役割を与えながら、潜在能力を見極めているのだ。

 同時に、自信を喪失していたFWフェルナンド・トーレスは、この試合を含めた直近の3試合で5ゴールを挙げ、復調を感じさせている。「チームがチャンスをつくれば、フェルナンドはゴールできる選手です。チームがチャンスをつくっていることが大きい」と、ベニテス監督は、F・トーレスを復調させたのではなく、チームの攻撃が改善したと強調した。

 今でもチェルシーサポーターの中には、チームを初の欧州CL王者に導いたロベルト・ディ・マッテオ監督に指揮を執ってもらいたいと思っている者が多い。そのため、本拠地のスタンフォード・ブリッジでは、ディ・マッテオ氏が現役時代に着けていた『16番』から、16分台になると口笛が吹かれている。ベニテス監督の就任直後に行われたフルハム戦と、マンチェスター・シティ戦の2試合がスコアレスドローに終わったことも、ファンの不満を煽ったに違いない。だが、ベニテス氏は状況は変わりつつあると言う。

「就任した直後には、ダービーがあり、シティと対戦する厳しい状況でした。すぐに試合をこなさなければいけない状況でしたが、今は何をするべきか選手たちもわかってきていますし、自信を持ってサッカーを楽しめています」

 横浜国際競技場では、16分台に入っても、大々的にブーイングされたり、口笛が吹かれることはなかった。スタンフォード・ブリッジでの試合を、同じような環境で戦うためにも、16日の決勝戦、ベニテス監督は絶対に勝たなければならない。
(取材・文 河合拓)

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