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[クラブW杯]世界王者はコリンチャンス!! チェルシーを1-0で下す

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[12.16 クラブW杯決勝 コリンチャンス1-0チェルシー 横浜]

 FIFAクラブワールドカップ2012は16日、横浜国際競技場で決勝を行い、南米代表のコリンチャンス(ブラジル)と欧州代表のチェルシー(イングランド)が対戦した。前半を0-0で折り返し、迎えた後半24分。コリンチャンスのFWパオロ・ゲレーロがチェルシーのゴールをこじ開け、1点を先制する。このゴールを守り抜いたコリンチャンスが、第1回大会以来となる世界一に輝いている。

 コリンチャンスは、準決勝のアルアハリ戦(1-0)から、スタメンを一人変更。MFドグラスをベンチに置き、FWジョルジ・エンリケをスタメンで起用した。対するチェルシーは、モンテレイ戦(3-1)から3選手を変更している。ダビド・ルイスを本来のCBに戻し、途中出場したMFフランク・ランパードが先発に復帰。さらにMFビクター・モーゼスが右SHでピッチに立っている。
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 コリンチャンスサポーターの歌声が響く中で行われた試合、序盤は両チームともなかなか活路を見いだせない。互いに相手ボールをカットしてからの速攻を狙う。前半10分にはMFフランク・ランパードのスルーパスにFWフェルナンド・トーレスが抜け出す。トラップの処理がうまくいかなかったが、それでもシュートに持ち込むとボールはDFに当たってCKになる。このCKからDFガリー・ケーヒルがヘッド。DFに当たったボールの跳ね返りを再度右足でシュートしたが、GKカシオにキャッチされた。

 前半18分にはコリンチャンスもFWエメルソンがMFフアン・マタのバックパスをカットする。ドリブルで仕掛けたが、PA内でDFダビド・ルイスに体を寄せられて、ボールを失ってしまった。同19分にもコリンチャンスは、MFダニーロの横パスを受けたMFジョルジ・エンリケがミドルシュートを放ったが、ボールはGKペトル・チェフがしっかりと抑えている。同20分にもMFパウリーニョがPA外からシュートを放ったが、これはクロスバーを大きく越えて行った。

 主導権を握ったコリンチャンス。前半26分にはゲレーロが左サイドでケーヒルを抜き、PA内にボールを運ぶ。ケーヒルに再び体を寄せられたゲレーロは、ピッチに倒れたが、ファウルは認められなかった。同29分にもコリンチャンスに決定機が訪れる。ゲレーロの縦パスをケーヒルが処理できず、ボールはエメルソンの目の前へ転がった。エメルソンはフリーでシュートを放ったが、ボールはクロスバーを越えてしまう。

 35分にもコリンチャンスは、FWゲレーロがゴールに迫る。右サイドの角度のない位置からシュートを放つとDFに当たったボールは左へ流れる。これをエメルソンが拾ってシュートしたが、ボールはサイドネットに外れた。

 対するチェルシーも38分にはランパードを起点に、チャンスをつくる。最終ラインの裏に蹴ったボールを、F・トーレスがコントロールしてシュートを枠に飛ばしたが、GKカシオがしっかりとキャッチした。同39分にはチェルシーがロングカウンターを見せる。右サイドをドリブルしたアザールから、左サイドでフリーになったモーゼスにパス。DFを抜ききる前にシュートを放ったモーゼスだったが、GKカシオが指先で枠外へとはじき出した。攻め込むチェルシーは、41分にもマタがゴール正面からシュートを枠に飛ばしたが、これもGKシカオにキャッチされた。

 後半も一進一退の攻防が続く。後半9分にはマタからのスルーパスがアザールに出る。PA内にドリブルしたアザールだが、シュートはGKカシオにブロックされた。同10分にはエメルソンがPA外から強烈なシュートを放つが、DFがブロックする。時間の経過とともに、徐々にコリンチャンスが押し込む時間が長くなる。ボールを前に運ぼうとするチェルシーに対して素早いプレスからボールを奪い返し、波状攻撃を仕掛けた。後半19分には、右サイドからのクロスをエメルソンが落とし、パウリーニョがシュートを放ったが、惜しくも右に外れて行った。

 ついに均衡が破れたのは、後半24分だった。パウリーニョが右サイドから中央にドリブルし、ダニーロへパス。ダニーロは左から中に入ってシュートを放つ。これがチェルシーの選手に当たって高く浮くと、ゲレーロがヘッドで押し込み、コリンチャンスが先制した。

 1点を追う形になったチェルシーは、後半27分にモーゼスを下げて、ブラジル代表MFオスカルを起用する。後半30分には左サイドに回ったマタが、ゴール前にクロスを入れる。F・トーレスがヘッドで合わせたが、ボールは右へ外れて行った。反撃に出たいチェルシーだが、コリンチャンスの素早いプレスの前に、なかなかボールを前に運べない。同38分にチェルシーのラファエル・ベニテス監督は、DFイバノビッチを下げ、攻撃力のあるSBセサル・アスピリクエタを起用する。

 後半41分にはチェルシーに決定機が訪れる。アスピリクエタのロングスローからPA内のF・トーレスの前にボールがこぼれる。これをトーレスがシュートしたが、GKカシオがブロックする。同42分には両チームのベンチが動く。コリンチャンスは先制点を挙げたゲレーロを下げ、MFフアン・マルティネスを起用。チェルシーは最後の交代枠でアザールに代えて、MFマルコ・マリンをピッチに送り出した。

 後半45分にはチェルシーのケーヒルが、ボールのない所でエメルソンを殴ったとして、一発退場を命じられる。ここでコリンチャンスはエメルソンを下げて、DFウォラスを起用する。ロスタイムにはチェルシーも、オスカルが入れたクロスをF・トーレスがヘッドで合わせてゴールネットを揺らす。しかし、オフサイドでゴールは認められなかった。試合終了間際にもチェルシーはマタがゴールに迫ったが、得点は挙げられず。1-0で勝利したコリンチャンスが、2度目の世界一の座に就いた。

(取材・文 河合拓)

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