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清水GK山本海「エスパルスで確立された1番になりたい」

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[9.5 ナ杯準決勝第1戦 F東京2-1清水 味スタ]

 鬼気迫るセービングを見せた。1-1で迎えた後半14分、FC東京の猛攻の前に、清水エスパルスのGK山本海人が立ちはだかった。最終ラインの背後に出たパスを受けたFWルーカスのシュートをブロックすると、流れたボールを追った。先にボールに追いついたMF石川直宏のシュートを再びブロックすると、ボールはPA外にこぼれる。そのボールを今度はMF長谷川アーリアジャスールがシュートしたが、これもゴール前に戻った山本海が、パンチングで弾き出した。

「あのときは、1-1のままならアウェーだから悪くない結果だと思っていましたし、早い段階で勝ちこされると、さらに失点も増える可能性があったので。前の選手たちの目を覚まさせたいと思って臨んでいました。ピンチが来て止めることができたのは良かった」

 この試合に向けて、何としても完封したいという思いがあったという。「自分が試合に出て2試合連続で完封できていなかったので、守備をもう少し安定させたかった」と言い「前回の札幌とのリーグ戦でも、今日もDFラインがオフサイドを駆けようとして、オフサイドじゃない場面があった。統一できないとダメだし、札幌のラスト10分でも1対1になる場面があったから、守備をまとめていきたい」と課題を口にした。

 絶対的な存在にならなければいけない、と試合前のサポーターのコールを聞いて感じたという。昨年9月6日、急性心不全で亡くなった元清水GKの真田雅則氏のコールが起きた。サポーターが追悼の意味でコールをしたことは理解しつつも、現在1番を背負う者としては「満足できない」と語った。

「真田さんのコールが出ることは満足できない。今は僕がエスパルスの1番を背負っている。その1番は自分だということを見せつけたかったのが正直な気持ちです。でも、今日も2失点したし、まだまだ真田さんの方が1番の印象があると思う。止めても負けたら意味がないし、第2戦は勝って真田さんに少しでも追いつくためにも頑張りたい。エスパルスで確立された1番になりたい」

 1戦目に敗れたが、アウェーゴールを挙げたうえでの、1点差の敗戦は決して悪くないと言う。「まだ1戦目なので。負けたとはいえ、下を向く結果ではない。次に1-0、もしくは2点差を付ければ決勝にいけるので、前向きに捉えていきたい」。絶対的な守護神としての立場を確立するためにも、タイトル獲得が重要だと認識する山本海は、第2戦での逆転を誓った。

(取材・文 河合拓)

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