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悲願を口にする仙台MF太田「そろそろタイトルを獲りたい」

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[6.23 ナビスコ杯準々決勝第1戦 川崎F2-1仙台 等々力]

 試合の感想を問われたベガルタ仙台のMF太田吉彰は、開口一番に相手10番に対する驚きを口にした。「レナトは、速いっ!!」。前半から川崎フロンターレの左サイドにいたMFレナトと対峙する機会の多かった太田は、実に率直に相手を称賛した。

「前回(リーグ戦で対戦したとき)もレナトにはやられていましたし、今日は必死でしたよ。やられそうになった場面も、もっと余裕で追いつけるかと思ったのに、ドリブルしていても離されていくような感覚でした。自分も、もっとスピードを付けたいですね」

 MF中村憲剛が日本代表に合流していることもあり、仙台は川崎Fのレナト、小林悠、大久保嘉人の3人の速攻を何よりも警戒していた。手倉森誠監督も「レナト、大久保、小林の個の速さと抜け目なさ。憲剛がいない中で、彼らに早くボールを付けたいという意図があったと思う。そこに対して気持ち良くプレーさせないことがポイントだったし、次もしっかり警戒しないといけない」と、気を引き締める。

 もちろん、太田もやられるだけではなかった。0-2で迎えた後半ロスタイムには、FW中原貴之の競り勝ったボールを拾って、ドリブルで仕掛けてパスを出し、MF松下年宏の同点ゴールを演出した。「一人いなくなっていましたが、0-2で終わるより、1点取った方が、勝ち上がるチャンスがあるので、最後まで点を取りに行きました。その結果、ボールがうまくこぼれてきて、1点取れた。この試合、ほとんど勝負できませんでしたが、最後の最後に勝負ができて、ちょっとマイナス気味に出したら、あの人(松下)がいたので、結果的には良かったです」。

 この試合では、仙台がボールを保持する時間も長かったが、第2戦は、違う展開になると、太田も予想する。

「(中村がいると)スルーパスも出してくるので。ただ、前回のリーグ戦もそうですが、憲剛さんがいないときに、負けてしまっているのでね。いるときに、どうなるかは分かりませんが、出しどころに強く行って、パスを通させないようにしないと、もっと速い攻撃もしてくると思う。ただ、相手がボールを持てると思うので、そうすると形が変わって、うちの得意なカウンターを狙えるかなというゲームプランもあります」

 戦い方のイメージはできている。「川崎Fにはやられてばかりだし、毎年、準々決勝で負けているので、そろそろタイトルを獲りたい」と、太田は悲願の準決勝進出、そしてタイトルへの強い想いを口にした。


(取材・文 河合拓)▼関連リンク
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