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ナビスコ敗退でリーグに照準をしぼる横浜FM中澤「いいイメージで広島戦に」

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[10.12 ナビスコ杯準決勝第2戦 横浜FM2-0柏 ニッパ球]

「前半1-0でも良かったけど、2-0は最高のプランだった」。DF中澤佑二が言うように、4点差の逆転を狙う横浜F・マリノスにとっては理想の試合運びだった。前半は立ち上がりから柏レイソルを自陣に釘付けにした。攻め続けて焦りの色が見え始めたころにエースストライカーのFWマルキーニョスが1点目を奪い、アディショナルタイムにはMF佐藤優平がプロ初ゴールで追加点。サポーターのボルテージも最高潮に達し、ハーフタイムの間もチャントが鳴り止むことはなかった。

 試合立ち上がり、柏がダブルボランチにマークを付ける作戦を取ってきたため、MF中町公祐とMF小椋祥平はサイドに開き、さらにDFドゥトラとDF小林祐三の両サイドバックが同時に高い位置をとるなど、対策を講じた横浜FM。自陣には中澤とDF栗原勇蔵だけになった。「リスクを冒して攻める以上、ハーフコートをセンターバック2人でどうにかしてくれ」と使命を受けた中澤は、今季公式戦で24ゴールをマークする柏の1トップFW工藤壮人に仕事をまったくさせず、任務を完遂した。

 後半開始とともに柏のネルシーニョ監督は工藤を2列目の右サイドに移動させ、MF田中順也を1トップに据えたが流れは変わらなかった。しかし、後半途中にFWクレオとDF藤田優人を投入したところから柏は五分の流れに持ち込む。クレオが1トップに入ったことで柏はボールが収まるようになり、リズムを取り戻した。「クレオと藤田を入れてくるあたりがね……」。2点差を守るのではなく、1点を奪いにいく采配に中澤も舌を巻いた。

 ナビスコ杯制覇の可能性はなくなったが、リーグでは首位広島と同勝ち点で2位。来週土曜日にはホーム日産スタジアムに広島を迎えるが、大一番を前に明るい材料もある。J1では2試合連続無得点だったが、この日は2ゴール。複数得点は9月11日の天皇杯・ヴァンラーレ八戸戦(5-1)以来5試合ぶり、J1のチーム相手では8月28日のJ1第23節・浦和戦(3-0)以来約8試合ぶりとなる。「いいイメージで広島戦にいける」。9年前の優勝を知る背番号「22」は、天王山に向けて確かな手応えを感じていた。

(取材・文 奥山典幸)

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