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有言実行でヒーローになった浦和MF関口「良い仕事ができてよかった」

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[10.12 ナビスコ杯準決勝第2戦 浦和1-0川崎F 埼玉]

 攻めても、攻めても、点が入らない。スコアレスなら敗退が決まるナビスコ杯準決勝第2戦。そんな状況で浦和レッズのベンチにいたMF関口訓充は、自身がヒーローになるんだと強く思っていたという。ハーフタイムには、一緒にウオーミングアップをしているチームメイトの前で「オレがヒーローになる」と、宣言していたという。

 0-0のまま迎えた後半34分、関口はMF宇賀神友弥との交代でピッチに立った。その1分後だ。左サイドでボールを受けた関口は、得意のドリブルで縦へと仕掛けてゴール前にクロスを入れる。そこに飛び込んだFW興梠慎三が、待望の先制ゴールを挙げた。

「縦に抜けたときに、相手と距離があったから落ち着いて上げられました。DFとGKの間を狙ったけど、1枚目をしっかり抜けたことが良かったと思う」と、関口はアシストシーンを振り返る。この1点を守り抜き、浦和は2年ぶりの決勝進出を決めた。背番号11は、ミックスゾーンで胸を張った。

「ハーフタイムに冗談で『オレがヒーローになる』って話していたんですよ。ツボさん(坪井慶介)は『何言ってんの?』って言っていましたけど、良い仕事が出来て良かったです」と関口は笑顔を見せた。

 今シーズン、仙台から加入したものの思うように出場機会が得られずに、リーグ戦で上位を走るチームの中で、悔しい想いもしてきた。それでも日々の練習から力を抜くことなく取り組み、チャンスを待ち続けた。その成果が出ている。途中出場からゴールを挙げた10月5日の埼玉ダービーに続き、この試合では決勝点をアシストと、タイトルを目指すチームの大きな推進力となっている。

 試合後には坪井から「オレが言ったとおり、チームのためにプレーして良かっただろう」と、労い(?)の言葉を掛けられたという有言実行の関口は、「シーズン最初に苦しい時期を過ごしましたが、腐らずにやってきた結果が今、出ているのだと思います。だから今日の結果にも一喜一憂することなく、やっていきたい」と、これまでと変わらないスタンスでタイトルの懸かるシーズン終盤を戦うことを宣言した。

(取材・文 河合拓)

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