オシム式 その6 長くて頻繁な会議
自分の言いたいことを一方的に伝えるだけの会議を開催してしかも「ダラダラ会議をやるやつの気が知れない」とうそぶく指導者は多い。
だいたい独善的で直情的でせっかちで・・・・。オシムは違う。
トリニダード戦の直後に行ったミィーティングでは、まずトリニダードトバゴ戦のことを吟味した。そしてイエメン戦に向けた代表召集メンバーについて検討する。自らの考えるサッカーについてスタッフの意見を聞きながら説明をする。一方的に自分の意見を伝えるのではない。合議制という形で意見を言い合いながら、やっていく。
とにかく、ミーティングは頻繁で長い。一回のミィーティングは軽く2~3時間は超える。
じっくりとスタッフの意見を聞きながらチームを作ろうとしていることがわかる。
ジーコ監督に対して時に川淵キャプテンがイライラしていたのは、彼の「虹を掴む」によって明らかになった。川淵さんがイライラしていた原因はジーコの「勤勉」でないところだと思う。
日本人はやはり「勤勉」が取り柄だ。選手に対してもスタッフに対しても日本人の「勤勉」とは微妙に違うが共通するところの多い「手間隙」のかけ方をする人だ。それが長く頻繁な彼の会議のやりかたに現れている。
<写真説明>記者会見でも独特の間合いを醸し出すオシム監督。揚々と引き上げる。(8月9日撮影)