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[高校MOM186]敬愛学園MF佐藤拓真(2年)_「ジダンみたい」なスーパーボレー

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.22 千葉県高校新人大会準決勝 八千代 0-1 敬愛学園 市原スポレクパーク]

 敬愛学園MF佐藤拓真(2年)の決勝ゴールを見届けた敬愛学園の控え部員から「まるでジダンみたいじゃねぇ」と賞賛の声が上がった。01-02年の欧州チャンピオンズリーグ決勝で当時R・マドリー(スペイン)に所属していた元フランス代表MFジネディーヌ・ジダンが放った、浮き球のボールをダイレクトボレーで沈めるスーパーゴール。“このゴール並み”の評価をされた一撃が敬愛学園を約15年ぶりとなる決勝へと導いた。

 後半33分だ。佐藤は右サイドから独特のフェイントでマークを外すとクロス。そして逆サイドでボールを持った1年生MF中島竜介の折り返しを受けるためにポジションを中央へと移した。中島の突破は相手DFに阻まれたが、高々と舞い上がったボールの落下点にいた佐藤が右足ダイレクトボレー。鋭い弾道を描いた一撃はゴール右隅へと突き刺さった。佐藤は「決めた瞬間、訳分からなくなった。気持ちよかった」。

 選手権予選で8強進出した昨年もトップ下のレギュラー。巧みなステップから繰り出すドリブルで相手を次々とかわす背番号14の姿があった。最上級生となり、自分勝手なプレーだけでなく、周囲を生かすことへ意識を切り替えたという佐藤。この日も前半は自ら仕掛ける場面よりもパスを捌く場面の方が目立っていた。
 それでも後半は、ハーフウェーライン付近からのドリブルで相手守備網に穴を開け、PAへ近づいたほか、決勝点の起点となるプレーなど「ここぞ」の場面では本能のままに仕掛けて決定機を生み出した。そして自らの“スーパーゴール”で試合を決めた。

 斉藤渉監督から「チームリーダーの自覚が出てきた。(決勝ゴールについては)『何とか自分で』と思っていたと思う」と評価された佐藤は、同校史上2回目の決勝進出について「新人戦なんで。(自分たちがよかったというよりも)周り(のチーム)が出来ていないから」と冷静だった。だが「自分らの代で(頂点に立ちたい)、と思っている」と意気込む県制覇へ、エースは「挑戦者として精一杯戦う」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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