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[高校MOM188]山梨学院大付FW林憲吾(2年)_選手権のうっ憤晴らす10番の3発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.23 山梨県高校新人戦2回戦 山梨学院大付 5-1 巨摩 山梨学院G]

 新生・山梨学院大付の10番が「うっ憤を晴らす」3発を叩き込んだ。山梨学院FW林憲吾(2年)は1-0の前半22分、相手DFの背後へと抜け出すと、GKの位置をよく見て右足シュートをゴール右隅へ流し込む。10年の自身初ゴールを決めたストライカーは、28分にもゴール前のこぼれ球を左足ボレーで叩き込み2点目。さらに後半開始直後にはPA内で相手DFにプレッシャーをかけてボールを奪い、あっさりと3点目のゴールを沈めた。
 新チーム初戦で叩き込んだ3発。ただ試合後、林は明らかに不満顔だった。数多くの得点機に絡んでいただけに「もっと取れるところがあった。ひとつひとつを大切にしていきたい」と反省していた。

 この試合に懸けていた。だからこそ出た反省の弁でもあった。林は山梨学院が日本一に輝いた全国高校選手権で登録メンバーに入っていたが、出場機会はゼロ。ベンチに絡むこともできなかった。選手権での記録は山梨県大会初戦でたたき出した5発による「1試合5得点」だけ。「先輩たちの頑張りを知っていたし、優勝したことはすごくうれしかった。でも(全国で)出たかったです。自分の力が足りなかった。だから(きょう、出場)機会があったら『やってやろう』と思っていた」。
 全国舞台に立つ事のできなかった悔しさを晴らすべく走り回った。3点を奪った後も満足せず思い切ったミドルシュートでゴールを狙い、GKとの接触を恐れずにラストパスへと飛び込んだ。とにかくどん欲に、チームの誰より全力でゴールを目指し続けた。

 林は、チームを全国Vへ導いた伊東拓弥と佐野敬祐(ともに3年)同様に抜群のスピードを武器とするゴールハンター。「どの試合でも必ず1点を取る力がある」と横森監督も目を細める存在だ。新チームの軸を担うひとりとなるFWは今年1年間の目標として「1回のチャンスで1点を取るFWではなく、何回もチャンスをつくって2点、3点取れるFWになる」と誓った。今大会は“まだ”3得点。憧れだった選手権の舞台に立てなかったうっ憤を晴らすにはまだ足りない。

(取材・文 吉田太郎) 

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