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[高校MOM189]関大一MF梅鉢貴秀(2年)_“新・関大一”のキープレーヤー

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.24 大阪府高校新人大会3回戦 関大一 2-0 此花学院 関大高槻G]

 新チームが立ち上がって初の対外試合ということもあり、3回戦の此花学院戦は関大一にとって予想以上に苦しい試合となった。そんな中でチームの力を上げようと奮闘し、勝利をもたらしたのが背番号9・MF梅鉢貴秀(2年)だった。

 2週間前までの高校選手権で、梅鉢はチームの躍進を支え、左右両足でキックができる選手として各メディアで高い評価を受けた。そしてこの試合でも期待通りのパフォーマンスを披露。チームが失速した後半にも、チームの中心として絶大な存在感を発揮した。

 この日与えられたポジションは、ダイヤモンド型の中盤の底。1ボランチとして開始直後から目を引く動きを見せた梅鉢は、積極的にボールを呼び込んでは、長短のパスで効果的に組み立てた。パス出しだけでなく、機を見て自らもゴール前に姿を現し、必要とあらばダイナミックな突破で飛び込んで状況を打開した。自らがケアしなければいけないスペースは広かったはずだが、そう感じさせないほどの躍動感溢れる動きでゲームをコントロール。19分には左CKから先制点をアシストし、続く21分には後方からパワーを持ってスペースに飛び込み、左足で2点目をゲット。1得点1アシストで勝利の立役者となった。

 チャンスにつながったパスの出所を探せばそこには必ず背番号9の姿があり、危ない場面にもさぼらず顔を出す。父が国体選手にも選ばれ、垂直跳び92~93cmという驚異的な跳躍力を誇った元バスケットボール選手だったこともあり、空中戦でも強さを誇るボランチは、「膝を怪我した時に撮ったレントゲン写真を見た担当医に、まだ伸びると言われた」とさらなる大型化にも期待できる楽しみな存在。「チーム全体で良いサッカーをしていきたいと思っているから、やって欲しいプレー、やらなければいけないプレーについては自分からどんどん声を出していかなければいけないと思っている」とチームの牽引役としての自覚も強く、佐野友章監督は「梅鉢には主将か副主将をやってもらおうと考えている」と信頼を寄せている。

 “新・関大一”のキープレーヤーになるのは、紛れもなくこの選手。この日は周囲にそう思わせるだけのプレーを見せた。「あそこ(ベスト4)までいったことを『3年生のおかげ』とか『3年生だけの力』とばかり言われるのは嫌」と口にする男が、まずは1年後にどんな選手になっているのか。高校選手権を経て大きく変わろうとしている梅鉢の今後が楽しみになった。

(取材・文 永田淳)

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