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[高校MOM192]矢板中央FW堀越龍也(2年)_点取るFWへまずは3発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.30 栃木県高校新人大会3回戦 矢板中央 4-1 烏山 矢板中央G]

 新チーム公式戦初戦で成長著しいストライカーが3発を叩き込んだ。矢板中央のFW堀越龍也(2年)はこの日、先制された直後に左サイドからのパスを受けると「(味方のおかげ)自分は打っただけ」の同点ゴール。さらに絶妙な動きだしからMF渡辺裕紀主将(2年)からのループパスを引き出すと、そのまま勝ち越しゴールを決めた。

 持ち味である前線からの厳しい守備で相手ボールをカットし、決定的なシュートを放つなど存在感を放った堀越。試合終了間際には左サイドからのパスを受けると右足でゴール右隅へシュートを叩き込み、ハットトリックを達成した。

 堀越は年末から行われた全国高校選手権で3試合に先発。ただ、選手権の栃木県大会予選の出場はわずか2試合だけ、それも準々決勝以降は1試合も出場していなかったというから対戦相手にとっては意外な先発だったに違いない。だが、これは勝ち取って得た先発だった。チームメイトも「(予選から明らかに)意識が変わった」と評するFWは全国大会へ向けて前線からのハードワークを徹底。また県U-17リーグの國學院栃木戦で5得点を挙げたほか、星稜(石川)や旭川実(北海道)といった選手権出場校との練習試合でゴールを決め、信頼を勝ち取った。

 そして、労を惜しまない前線からの守備でチームの4強進出に貢献した堀越は新チーム初戦で爆発。「もっと取るチャンスはあった」と悔しがったが、それでも高橋健二監督は全体的に低調だったチームの中でも背番号11には及第点の評価を与えていた。

 「選手権で一皮むけた」と評価される堀越だが、選手権の結果に責任を感じている。0-2で敗れた山梨学院大付(山梨)戦。堀越は自分が担当する相手選手のマークを外したことで先制点を奪われた。ハーフタイムに先輩たちへ「絶対点を獲ります」と宣言したが、ノーゴールのまま試合終了。チームも0-2で敗れた。

 選手権は結局3戦無得点。だからこそ「すごく悔しい思いをした。改善して獲れるFWになりたい」。選手権で高評価を得ていた中田充樹(2年)に石井涼斗(1年)とチームのFW陣の争いは熾烈。この日は前線の核としてチームを引っ張った堀越だが、出続けることができる保証はない。ただ「結果を残せば使われる」と力を込める堀越は来年「雪辱の」選手権で輝くためにも、持ち味の守備プラス「ゴール」という結果を残し続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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