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[高校MOM198]鹿児島城西FW林諒彦(2年)_帰ってきた“大迫の後継者”

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.12 高校九州新人大会予選リーグ第4ブロック 鹿児島城西 1-0 大津 宮崎総合]

 昨年のちょうど今頃だった。鹿児島城西FW林諒彦(2年)は右ひざ前十字靭帯断裂という大怪我を負い、それからほぼ1年を棒に振った。184cmの長身を誇り、空中戦の強さとボールコントロール、シュートスキルを兼ね揃えた2年生エースとして、大迫勇也(鹿島)の後を引き継ぐ大役を任されるはずだった。しかし、悪夢の負傷で、昨年は治療に専念する苦しいときを過ごすこととなった。

 膝の状態はまだ万全とは言えない。しかし、この日の林はピッチ上で、昨年1年分の思いをぶつけるかのように躍動した。
「去年は3年生と一度もサッカーが出来なかった。その悔しさは凄くあります。だからこそ、今年はチームのために思い切りプレーしたい」。初戦の宮崎日大戦では、0-1からチームを救うヘッドを叩き込み、この試合でも前線で体を張ったポストプレーで、2列目の飛び出しを引き出し、攻撃をリードし続けた。
「まだ万全ではないけど、ピッチに立てることが嬉しい」。林はピッチに立つ喜びをかみ締めながらプレーし、試合後は熱を持った膝を気にしながらも、充実した表情を見せた。

 ただ、筆者から見ると、やはり膝の状態が気がかりで、まだ完治したわけではないため、最善のケアをしながら戦ってほしいという気持ちが強い。なぜなら、林はそれだけストライカーとしての才能を持ち、将来性ある選手だからだ。彼にはまだまだ先がある。この充実感を自身の身体への細心のケアへと変え、これから先、その才能を消さないように最善のリハビリ、ケア、そしてトレーニングを積んで欲しい。夏、そして冬と、万全の状態で才能をフルに発揮し、心からの充実した表情が見られることを、今は切に願う。

(取材・文 安藤隆人)

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