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[高校MOM206]市立浦和MF森崇(2年)_別格の存在感放つ司令塔

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.20 埼玉県高校新人大会準決勝 市立浦和 4-0 浦和東 西武台高G]

 相手をいなそうとしてボールを引っ掛けてしまう場面があった。ラストパスの呼吸がFWと合わなかった。それでも「どんな強いチームとやってもいいパスを供給すること」と話す市立浦和MF森崇主将(2年)はこの日、別格の存在感を放っていた。

 とにかくプレーが落ち着いている。相手のプレッシャーをものともせずに自陣からでもドリブルを仕掛け、相手DFラインの裏へスルーパスを通す。相手に距離を詰められても平然と次のプレーへと持ち込もうとする。軽いプレーがやや多かったことも確か。ただ、攻撃の中心地にいたMFは守備面でも空中戦に競り勝ち、失ったボールに素早く寄せて奪い返すなど攻守でチームに欠かせない存在だった。

 昨年は、選手権埼玉県大会決勝へ進出したチームでゲームメーカー役を務めて大会優秀選手に選出。また浦和ユースと大宮ユースを中心に構成された国体埼玉県選抜メンバーにも名を連ねた実力派だ。中盤中央でコンビを組むMF高橋尚紀とのラインは池田一義監督が「ウチの生命線」と語るほど信頼が厚い。
 本人は「パスの精度もそうだし、シュート技術も足りない。もっと相手がプレスに来てもキープしてあいている選手を探してパスを出さないと」など次々に課題を口にしていたが、指揮官は「点を取るとまた変わる」と森に試合を決めるプレーを要求。パサーとしてけでなく、より相手にとって恐い存在となることを期待する。

 性格は自身でも「大人しい」と分析しているが、主将を任されたことで声の数が少しずつ増えてくるなど変化。「自分が中心になって、試合でも試合の外でも部員をいい方向へもっていきたい」。昨年、あと一歩で届かなかった全国へチームを導くためにも、エースはもう一段階上の選手へと成長する。

(取材・文 吉田太郎)

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