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[高校MOM220]横浜FMユースFW小野裕二(新3年)_進化した“ハマの核弾頭”

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.23 マリノスカップ決勝 横浜FMユース 1-0 桐光学園高]

 横浜F・マリノスユースのFW小野裕二(新3年)のキレキレドリブルは今年もチームの大きな武器であることは間違ない。しかし、そこにワンタッチ、ツータッチで攻撃を作るパスが新たな魅力に加わった。昨年までのサイドではなく、1トップとしてプレーした小野は、バイタルエリアを自在に動き回り、相手の守備のギャップにうまく顔を出しては、クサビや縦パスを集約。そして柔らかなワンタッチ、ツータッチのパスで、2列目以降の飛び出しを引き出した。
 そして少しでもスペースを見つけると、ボールを足元で止め、一気に自慢のドリブルを仕掛けてくる。この緩急と、プレーの柔軟性は、相手DFにとっては厄介極まりない。

 この試合でも彼の能力が凝縮されたシーンがあった。決勝点となった後半33分の先制点のシーン。バイタルエリアでボールを受けると、「宮本が後ろから走ってくるのが見えたので、ボクがDFをひきつけてパスを出そうと考えた」という小野は、抜群のキープ力でDFを背にしてタメを作ると、宮本が自分を追い越していった瞬間、鋭く反転し、DFとGKの間に絶妙のループパスを送り込む。柔らかな軌道を描いたボールは、狙い通りGKとDFの間に落ち、飛び込んできた宮本の足元にピタリ。好守を続けてきた桐光学園GK峯達也をついに打ち破るゴールが生まれた。

 ドリブルだけじゃない。さらに進化した“ハマの核弾頭”が今年のユースサッカー界にさらなるインパクトを残してくれるだろう。そう期待させてくれる働きを、2010初タイトルを決めた、この試合で見せてくれた。

(取材・文 安藤隆人)

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