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[大学MOM57]中央大FW奥山慎(2年)_献身姿勢が生んだ1点

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[4.10 関東大学1部第1節 中央大 1-0 順天堂大 西が丘]

 試合後「みんな良くなかった」と選手に厳しい採点を下した中央大の佐藤健監督。それでも「自分のセールスポイントを出した」と2年生FWに唯一合格点を与えた。この日の中大は全日本大学選抜のエースFW林容平(3年=浦和ユース)が負傷のため不在。代役として先発起用されたのが公式戦初先発となるFW奥山慎(2年=帝京高)だった。
 
 「前からの守備だったり、裏へ抜ける動きで貢献しようと思った」という奥山は試合開始直後にいきなり期待に応える。前半8分、相手DFが先に反応していたルーズボールを敵陣ゴールライン際までチェイス。一気に加速してボールへ迫ると、対応の遅れたDFが伸ばした左足よりも一瞬早くボールに触りPKを獲得した。このPKをMF佐藤謙介(4年=浦和ユース)が右足で決めて先制ゴール。「上手いプレーが出来る訳ではないので、自分は泥臭くやるしかない」。その言葉通りにあきらめずにボールを追い続けた奥山が、開幕戦でチームに初ゴールをもたらした。

 初先発ということで思うようにプレーできず、持ち味の運動量の多さを活かしきった試合ではなかった。前半35分に放ったバイシクルシュートは枠を外れ、後半立ち上がりのヘディングシュートは相手GKの好守にあい、目指していた初ゴールもおあずけに。そのため「次出られたら点を取りたい。チャンスをもらったときに自分のものにできるか。これを心がけてやりたい」と満足していなかったが、2年生FWの献身的な姿勢が思うような試合のできなかった中大に勝利をもたらす原動力となった。

(取材・文 吉田太郎)

連載:大学マンオブザマッチ

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