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[選手権]「吹っ切れた」エース金島が値千金の2発(鹿児島城西vs広島皆実)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.12 第87回全国高校サッカー選手権決勝 鹿児島城西(鹿児島) 2-3 広島皆実(広島) 国立]

 オレンジのスパイクがまぶしく輝いていた。広島皆実(広島)のエース、FW金島悠太(3年)が決勝で2得点。10日の準決勝・鹿島学園戦(1-0)で大会初ゴールを決めるまで公式戦6試合連続無得点だった男とは思えない大車輪の活躍だった。

 先制点を許してから、わずか3分後。左サイドをえぐったMF浜田晃(3年)のクロスを逆サイドのMF佐々木進(3年)が頭で折り返すと、金島が猛然と飛び込んだ。右足ダイレクトで合わせる豪快ボレー。4万大観衆の度肝を抜く一発が、チームを勢いづけた。

 「準決勝の前半に弱気にシュートを打って外していたので、今日は強気で打っていこうと思っていた。準決勝で1点取れて、すごい楽になった。吹っ切れた」。目を覚ましたエースは、これだけでは終わらない。2-1と逆転して折り返した後半17分に同点ゴールを許すと、再びその4分後だ。右サイドをオーバーラップしたDF村田俊介(3年)の大きなクロスはGKの手をかすめ、逆サイドへ。「ハーフタイムに村田にクロスはファーで合わせようと話していた。狙い通り、いいところに上げてくれた」。ファーサイドで待ち構えていた金島は楽々と頭で無人のゴールに流し込む。結局、これが決勝点。自らの2ゴールでチームを初優勝に導いた。

 「小学生のころから夢見てきた舞台で2点取れて、チームも優勝できて、すごくうれしい。みんなに感謝です」。国立の主役になった金島だが、すぐに次の“戦い”も待っている。17、18日に控える大学入試センター試験。大会中も毎日4時間の勉強を欠かすことがなかったストライカーは「来年に向けて、もう1回頑張ろうかなと思います」と笑い、高校生の素顔をのぞかせていた。

<写真>広島皆実FW金島(9番)の決勝点場面
(取材・文 西山紘平)

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