[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]

[7.5 JFAプリンスリーグ九州1部第9節 大分U-18 1-0 鵬翔高 福岡]

「彼は途中から入ってアクセントになれる選手」とMF鈴木裕介は『ジョーカー』として村田監督から大きな信頼を寄せられている。ジュニアユースからの昇格組でもある彼は、もともとCBとしてプレーしていたが、指揮官は今年に入って一つ前のボランチで起用。すると「水を得た魚のようにいきいきとプレーした」(村田監督)。
　
　長い距離を何度も走るスタミナと、相手のギャップを果敢に突いていくうまさを併せ持ち、相手DFをたちまち混乱に陥れていく。4日の大津高(熊本)戦、そしてこの日の鵬翔(宮崎)戦でも試合の終盤から投入されると、献身的な守備とアップダウンで一気に攻撃を活性化。勝利に大きく貢献した。
　「CBのときと比べて、びっくりするくらい良くなった」と村田監督が目を細めたように、ついに彼は自分にとって居心地のいい場所を見つけた。まだボランチとして経験が浅く、ジョーカーの域は抜け出せていないが、今後の成長次第ではレギュラー奪取の可能性も十分に見えてくるだろう。

(取材・文　安藤隆人)