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[高校MOM_53]一条MF西尾銀河(3年)_流れ変えた35m弾

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[全国高校総体3回戦 一条 3-0 金光大阪 葛城市新庄第1健民運動場]

 それは後半24分の出来事だった。「サイド突破を期待して投入したのに、あのときサイドを突破するかと思ったら、いきなり中に切り替えしたので、『いったいどうしたんだ?』と思った」(一条・前田監督)瞬間、一条MF西尾銀河は、左サイド約35mの位置から右足インフロントにかけたコントロールシュートを放つ。

 ボールは緩やかな弧を描きながら、ゴール左上ポストを叩き、そのままゴールに吸い込まれた。前田監督をもってしても、「まさかあそこからシュートを打つとは思わなかった」と予想外のシュート。「でもあれで決まったね。最後までもつれてもおかしくない試合が、あのゴールで動き出した」と西尾が見せた意外性に笑顔が絶えなかった。

 このゴール以外にも、彼は献身的な守備と、ドリブル突破で停滞気味だった左サイドを活性化し、3-0の完勝劇に大きく貢献した。一発勝負のトーナメント戦では、こういう意外性のある選手の出現が、チームに勢いをもたらす。西尾のこの活躍は、間違いなくトーナメントを駆け上がるチームに、大きな勢いをもたらした。

(取材・文 安藤隆人)
09全国高校総体特集

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