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[大学MOM_31]中央大DF新井辰也(4年)_J注目の大型CBは堅守に先制弾も

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[大学マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.26 関東大学サッカーリーグ1部第15節 明治大 2-3 中央大 埼玉2]

 中央大が前半に見せたゴールラッシュの口火を切ったのは188cmの大型CBだった。
 5分、MF村田翔主将(4年=F東京U-18)の右CKにDF新井辰也(4年=都・日野台高)がフリーで飛び込み、あっさりと頭でゴールを破る。殊勲の新井は、村田の精度の高いキックと、ニアサイドでDFを引き付けた柴橋浩太(4年=桐光学園高)を讃え、「自分は何もしていない」と控えめだったが今季初ゴールに「うれしい」と素直に喜んだ。

 攻撃面以上に光ったのが守備での奮闘ぶり。3点リードで迎えた後半は攻撃的な布陣へ変更した明治大にボールを支配されながらも最終ラインで防波堤となり、相手の猛攻を食い止めた。失点はPKと後半ロスタイムのラストプレーで喫したもの。球際で最後まで闘った新井は、コンビを組むDF山田佑介(4年=川崎F U-18)らとともに耐えて2位浮上への貴重な勝ち点3をもたらした。

 新井は無名の東京都立日野台高出身だが、高校時代には国体東京都選抜にも選ばれている実力者。長身を生かした豪快なヘッドで次々と相手の攻撃を跳ね返すCBは昨年に横浜FC、そして今季はJ1の川崎F、大分の練習に参加するなど、Jクラブから熱視線を浴びている。

 今年は神奈川大との開幕戦で鼻骨骨折した影響で3試合を欠場したが、ケガから4試合後にはフェースガードをつけて復帰。チーム3敗のうち2敗は新井欠場中に喫したものと、数字も彼の存在の重要性を示している。「個人的には納得していないけど、自分が出ている試合で1敗しかしていないのは貢献できていると思う」。これからも“中大の壁”として、全日本大学選手権連覇を目指すチームに勝利を呼び寄せる。

 自身は来月に再び、J1上位のクラブへの練習参加をすることが決まっている。そこで外国人選手と対等に闘い「当たり勝てれば自信にもなる」と新井。大事な大学ラストイヤーでプロ入りとタイトル両方を手にするため、大型DFは相手の攻撃を跳ね返し続ける。
 
(取材・文 吉田太郎)

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