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[全日本ユース(U-18)選手権]初出場・桐光学園が昨年準Vチーム破る!(桐光学園高vs.広島ユース)

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[9.7 高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権グループリーグ第1節 桐光学園高 2-1 広島ユース 西が丘]

 高校年代の日本一を懸けた高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権が7日、開幕。グループリーグ12試合が行われた。西が丘サッカー場の第1試合では昨年準優勝のサンフレッチェ広島ユース(中国3、広島)と初出場の桐光学園高(関東6、神奈川)が対戦。桐光学園がU-19日本代表FW瀬沼優司の2得点で2-1で勝った。
 プリンスリーグ関東6位ながらも繰り上げ出場で出場権を得た桐光学園だが、プリンスリーグ関東得点王の瀬沼や同アシストランキング2位の右SB友澤剛気ら総合力は高い。4-4-2システムの中央に位置するMF西川聡一郎が好パスを連発するなど、強豪に押し込まれながらも自分たちの良さも披露した。
 対する広島ユースは今春にU-19日本代表MF岡本知剛がトップチームへ昇格してしまったことによる戦力低下と決定力不足により史上初めてプリンスリーグ中国での優勝を逃した。U-17日本代表MF大崎淳矢をボランチで起用する4-4-2の布陣をとったが、チームはこの日も課題に悩まされることになった。
 序盤から試合を優勢に進めたのは広島ユースだった。右MFの板倉大地、左MFの宮原大輔が対面のDFを再三抜き去るなど数的優位を作り出し、得点機を得ていく。22分には左サイドからの攻撃を起点にFW不老祐介が逆サイドから走り込んだ板倉へラストパス。板倉の強烈なシュートがゴールを襲ったほか、41分には中央からドリブルで仕掛けた不老の左足シュートがクロスバーを叩いた。ただ、「(ポゼッションで)やられるのは分かっていた。切れずに良くやってくれた」と佐熊裕和監督が試合後に振り返ったように、桐光学園は相手に主導権を奪われても、粘り強い守備で耐える。広島ユースのシュートミスにも助けられ0-0のまま試合を進めていった。
 均衡を破る先制ゴールは“高速カウンター”から生まれた。前半43分、セットプレーの流れから自陣PA内で相手のトラップミスを奪った桐光学園は直ぐさま速攻。友澤から縦へと入ったくさびのボールを受けたFW寺内渉が少ないタッチ数で右サイドへ展開すると、右MF寺田俊介がダイレクトで中央へと折り返す。ここへ走り込んだ瀬沼が右足を振り抜くとボールは相手GKに触られながらもそのままゴールへと吸い込まれた。
 鮮やかな速攻で先制した桐光学園は、後半開始直後にも得点を奪う。ゴール正面PAやや外で西川からのパスを受けた寺内が左前方へスルーパス。これに鋭く反応した瀬沼が、左足シュートをゴールネットへ突き刺した。
 まさかの2点ビハインドとなった広島ユースだったが、大崎の鋭いドリブル突破などで反撃。8分にはDF沖田勇樹の右FKがDF宮本将を経由してゴール至近距離に位置取りしていたDF佐伯尚平の足下へ入る。これを佐伯が冷静に右足で沈め、1点差へと詰め寄った。
 このゴールで勢いづいた広島ユースは11分に左スローインを起点に板倉が決定的なシュート。15分にはその板倉が右サイドからスピードを活かした個人技でPAへ切れ込み、その他大崎が再三にわたってドリブルでゴール前までボールを持ち込むなど、流れを完全に自分たちへと傾けた。だが、広島ユースの猛攻は思わぬ形で失速してしまう。気温33度という猛暑の中で行われたためか、広島ユースは後半30分過ぎから足を攣らせる選手が続出。31分には守備的MF茶島雄介、37分には10番の宮原もピッチを後にしてしまう。その他にも足を引きずる選手の姿があった。その苦境の中でも立て続けに決定機を作っていったが、桐光学園のMF久保昌成主将、GK峯達也を中心とした守備陣から最後までゴールを奪うことはできず。「(3回戦で敗退した)総体から踏ん張れるようになった」と瀬沼が語る初出場の桐光学園が1点差を守りきった。

<写真>前半43分、桐光学園高はカウンター攻撃からFW瀬沼が先制ゴール!
(取材・文 吉田太郎)

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