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モウリーニョ、釜本両監督、中田氏会見要旨

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[6.7 +1 FOOTBALL MATCH JAPAN STARS 2-2 WORLD STARS 日産ス]

 元日本代表の中田英寿が呼びかけ人となって開催された親善試合「+1 FOOTBALL MATCH」(日産ス)。JAPAN STARSは前半にFW大黒将志、MF澤登正朗がゴールを決め、WORLD STARSは後半から出場のFWイルハン・マンシズが2得点。後半37分からは釜本邦茂監督も選手として出場するサプライズもあり、スター選手たちの夢の競演は2-2で終了した。以下、ジョゼ・モウリーニョWORLD STARS監督、中田英寿氏会見要旨

●釜本邦茂JAPAN STARS監督
「選手は(2-2の)引き分けに残念と思っているんじゃないですか。でも前半何回か向こうにいいチャンスがあったがGK(下川)がいい守備をして、そのなかから点を取って行けるかなと思いはしていたが……やはり、向こうの選手にしてみれば負けたら格好がつかないだろうと。そういうことで本気というか、そういう気持ちになって引き分けに終わった。本当におもしろいゲームだったと思います」
―スタジアムの雰囲気、サポーターについては?
「そうですね。ふだん僕らはいつも下に座るようなことがなく、上のほうから見ているんですが、今日はたくさんの人が来られたということでスタンドも盛り上がっていた。そのせいで選手のみんなも日頃持っている体力をすべて出し切ったんではないかと思います」
―「18番」(釜本監督自身が18番をつけて後半37分にサプライズ出場)の選手の起用を考えた時期とその意図は?
「最後の最後で同点だったら18番を出して、“蜂の一差し”でMVPを取ろうかなと思ったんですけど……残念でした」
―ピッチのうえでプレーされるのは何年ぶり?
「エキシビジョンマッチ、シニアのチームに入って試合には出るが、こういう観衆の前では久しぶり。今日も中田くんに醜態をさらすんじゃないかといったら、『最後の5分に出て、集大成にしてください』といわれたものだから、喜んで(出場した)」
―中田選手のプレーについては?
「彼は何かを求めてこの2年間、いろんなところで多くのことを知り学んできたと思いますが、やはりワールドのひとたち、もちろん僕も、彼の力というものが通用すると感じたんじゃないかと思います。まだ年齢もある意味、いちばんいい時期じゃないかと思っています。もう少し(引退して衰えた)フィジカル、スタミナをトレーニングすれば、十分世界のどこででもやれると思う」


●ジョゼ・モウリーニョWORLD STARS監督
―今日の感想をお願いします
「本日の試合は本当に友好的でまさに親善試合といえるものだったと思う。ファンの皆様も選手も楽しめたと思う。試合結果としては、この性質の試合としては完璧だったと思う。親善試合とはいえ、誰も負けたくはない。だからといって、死力を尽くして戦うということも選手は望みません。ですので、試合のそこそこで素晴らしい技術を見せましたし、いいゴールもあった。そしてフェアプレーだった。観客のみなさんの雰囲気も良く、誰もが満足した試合だと思うので私もうれしく思っている」
―中田選手のパフォーマンスについてはいかがでしたか?
「他の選手と同じようにリラックスして、自らの持つ非常に質の高いプレーを見せてくれたと思う。私たちのチームにも引退して40歳以上の選手がいた。たしかに体は昔ほど早くは動かないかもしれないが、頭の中の“サッカーの頭脳”というのは一切失われていない。本当に楽しかった。こういう選手がピッチでプレーするのを見られて良かった」
―勝負へのこだわりはあった?
「勝つのもイヤだったし負けるのもイヤだった。勝たない負けないと言うのは簡単だがやるのは難しい。選手たちには今日は45分しかプレーしないといっていた。いまもトップの選手であるセードルフ選手ももし90分戦えといっていたら疲れたと思う。そういう意味で選手たちが試合を楽しむために東京(日本)に来ていますので、その気持ちを尊重したいと思った。そしてみんなで一緒にプレーすることを楽しもうということで、とにかく45分楽しんでというつもりでいた」
―JAPAN STARSは釜本監督が最後(後半37分)選手として出てきたが?
「たいへんよかったと思う。おもしろいですし、おもしろいとともに観客の皆さんも楽しんでいた。非常に有名な方ですので、ピッチに立ってワクワクした。そして誰もタックルをしようとかボールを盗もうという意志はまったくなく、ピッチ上で強い能力を見せてくれた。私も釜本監督の年齢になっても、あのように元気に動き回りたい」
―インテル監督に就任したが、チェルシーから獲得したい選手はいるでしょうか?たとえばエシアン、ランパード、カルバーリョなどは?
「いい選手をビッグクラブから獲得するのは本当に難しいこと。大きなクラブになると、選手をお金で売ろうとはしない。インテルもモラッティ氏はいい選手を手放さないでしょうから。それはやはり代表者、社長などフロントサイドが考えること」
―初来日だと思いますが日本の感想と、クラブ以外のチームを率いるのも初だということでしたがどのようなシチュエーションでこの役割を?
「実は日本に来日したのは2回目です。ポルトのアシスタントのとき、鹿島アントラーズとの試合で来ました。たしか91年か92年だったと思います。
 今回の監督としてオファーを受けた理由は、中田氏がみずからの名前、イメージを活用して人類全員が関係している戦いに立ち向かおうというその意欲に共感したからです。みんなの共通した戦いです。小さいことですが、私も貢献しようと思いました。選手たちについては、引退した選手が多いですし、自分のクラブで呼んで選手になってほしいというのも難しい。そういう意味で日本で本当だったらいっしょにプレーができない選手たち、スキラッチ、サモラーノ、アルメイダ、ラマ、こうした選手たちといっしょにプレーするチャンスがあることを素晴らしいと思いました」
―モウリーニョ監督は監督としてスペシャルな存在ですが、監督のフットボールのスタイルはどういうものですか?またこれから変化していきますか?
「サッカーには重要なことがふたつあると信じています。ひとつは勝つこと、もうひとつはいい試合をして見る人に楽しんでもらうということです。この二つの間には密接な関係があります。良い試合をすれば勝つチャンスが増えるからです。
 そして自分はトップレベルの、ビッグネームのクラブでつねに監督をしています。ですのでどこで指揮を執ろうと目的は同じ。ビッグクラブはつねにタイトルを目指し、トロフィーを目指し、カップを目指している。ですので精神的な面でも勝つことがまず第一で、2位では満足できない。決勝で負けてはなにもならない。それがトップクラブの考え方なので、自分はどこに行ってもその考え方にあわせていかなくてはいけない」

●中田英寿氏
―お客さんもたくさん入りましたが、この試合の感想は?
「非常にいい環境で試合ができたと思う。ただ正直、(自分としては)もう少しいいプレー、沸かせられるプレーができると思っていましたが、その点に関しては物足りない試合だった。全体としてももう少し盛り上げるプレーができればよかった。ただ数人の選手はこの意義を理解してくれて、それをしてくれた選手には本当に感謝したい」
―2-2という結果には?
「自分たちも試合としてやってる以上は勝ちたかったが、ただ今回に関しては勝つ負ける以前にどう盛り上げるかが大事だったので、その点に関しては勝とうが負けようが気にしていないです」
―サポーターに対しての手応えはありましたか?満足させられましたか?
「まだ足りないんじゃないかなと思っています」
―今後、このような試合をやる予定があれば教えてください。
「この先もう一度試合をやるやらない、他のことをやる、というのはいまのところ何かいえることはないですが、今回1回で終わらせるということは考えていない。何か先に続けていく、何をやるかというのはまだ具体的にはいいませんけど、なにかやっていきたいとは思っています」
―2年間の旅でいちばん変化したと思われることは?
「基本的にはないですね」
―この試合を企画するにあたって不安はありましたか?
「当然、成功するかしないかは考えますが、ただそこで不安を先に考えるか、それよりも成功するという可能性を考えるか?僕はもちろん可能性を考えて進める人間なのでそういうことは考えない。また、試合ができようができないが、人が集まろうが集まらなかろうがゼロではないので、やることに意味がある。いい結果で終わる方がいいですが、それがどんな結果になろうが一人でも二人でも、少しの人間にでも伝えていけるということが大事。どんな結果になろうと失敗とは思わない」
―またこの試合を終えて、これからやっていこうとすることになにか刺激になりましたか?
「サッカーというものがどれだけ力があり、どれだけ人を魅了し、という旅を通じて思っていたことが実感できました」
―WORLD STARSの選手のみなさんのプレーをどう思われましたか?
「やはりできるだけいい選手を集めるように選んだつもりですし、その通り一人一人がいいプレーをしてくれた。もちろんW杯予選とか真剣勝負ではないのですべてを100%出したとは思いませんけど、随所にそれぞれが特徴あるプレーを見せてくれた。一緒にプレーをした選手もいますし、見に来ていただいた観客の方にも見に来て良かったなというプレーをしてくれたと思う」

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