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中澤主将が川口主将を大歓迎。「30歳“おっさんパワー”で乗り切りたい」

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 W杯南アフリカ大会のメンバー23人に選ばれた横浜F・マリノスのDF中澤佑二とMF中村俊輔の2人が10日午後、横浜市内の日産スタジアムで会見を開いた。ともに2度目の選出で、それぞれがW杯への熱き思いを語った。

 主将を務め“当選確実”とみられていた中澤は、家で家族とテレビを見ながら運命の時を迎えた。「やはり、W杯のメンバーに選ばれたということは、改めてうれしいなという思いがあります」と語りながらも、すぐさま「自分の名前が呼ばれる前に、ヨシカツさん(川口能活)の名前が呼ばれて、自分の中でかってに盛り上がってしまった。自分の名前が呼ばれるよりも、ヨシカツさんの名前が呼ばれたことがうれしかった」と、まるで自分のことのように大先輩のサプライズ選出を喜んだという。

 そして「ヨシカツさんが入って30代のプレーヤーが増えた。若い選手におされ気味でしたけど、30歳“おっさんパワー”で乗り切りたい」と笑みを交えながら意気込みを語った。

 中澤は予選では岡田武史監督からチームリーダーとして期待され、若手を引っ張ってきた。だが、指揮官はこの日、キャプテンについて「今、頭の中には構想がある。ゲームキャプテンとチームキャプテンを分けることも考えている」と中澤と川口の“二頭体制”を考えていることを示唆している。

 特に今回はW杯初経験の選手が15人選ばれた。そんな中、中澤一人では大変なのも事実だろう。これについて、ゲームキャプテンが濃厚な中澤は「いいと思いますね。こういう大会はちょっとしたことで転がりだすと、止まらない。ヨシカツさんのようなベテランプレーヤーがドンと構えてくれていれば、若いプレーヤーもノビノビとやれる。いろんなことがあっても、ヨシカツさんの一言で引き締まる。存在は大きい」と期待した。

 もちろん、中澤自身もピッチ内外でチームを引っ張るつもりだ。初出場だった前回ドイツ大会は、中澤にとっても初の大会で、自分のことばかり考えていた面があったという。前回大会の反省点にも挙げた。

 「W杯で戦った経験のある選手が少ない。W杯で戦う姿勢だとか、雰囲気だとかを、ピッチ内外で情報として方として発信していきたい。個人的にはドイツ大会は、チームが勝つということよりも、自分が今まで努力してきたことをW杯という舞台で出す、自分のベストのプレーを作るという気持ちだった。チームが勝つというとこよりは、自分がベストを尽くせば、チームのためになるんじゃないかと、自分のプレーが先にあった。今回は自分のプレーよりも、どうすればチームが勝てるか、勝つためにどいういうことをしなければいけないのか、考えてやりたい」とフォア・ザ・チームを強調した。

 「目標は監督が言っているとおり、W杯ベスト4です。僕の中では(その目標は)変わっていないし、他の選手も変わっていないと思う。前回大会は、いろいろな期待を裏切った部分がある。今回は日本全国のファンの方、サポーターの方が、今回の日本代表は良かったね、見てて良かったねと、そういわれる大会にしたい」

 ドイツW杯後は、一時代表を引退を決断。しかし、さまざまな思いから代表復帰を果たした経緯がある。本人は「前回は前回で、今回は今回。リベンジとかそういうのはないです」と話したが、そこには当然、ドイツでやり残したこと、後悔があるからだ。大会が近づくにつれ、ますますピッチ内外で中澤の力が問われるはず。ドイツの悔しさ、その反省をしている中澤は今大会こそ、真のリーダーになり、チームを日本を、歓喜へと導いてほしい。

(取材・文 近藤安弘)
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