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俊輔、ドイツのリベンジへ。風邪ひかない&あの“悪夢”を防ぐ

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 W杯南アフリカ大会のメンバー23人に選ばれた横浜F・マリノスのDF中澤佑二とMF中村俊輔の2人が10日午後、横浜市内の日産スタジアムで会見を開いた。ともに2度目の選出で、それぞれがW杯への思いを語った。
 俊輔の表情には、喜びに浸るような笑みは少なかった。ドイツ大会は、大会中に風邪を引くなど体調を崩した悔しさだけが残っており、リベンジの強い思いがあふれ出てきた。
 「W杯のメンバーに入るのは簡単なことではないので、うれしい気持ちです。自分は2002年に悔しい思いをした。今回、悔しい思いをした選手の気持ちも背負うじゃないけど、そういう気持ちで全力で頑張りたい」と語りつつも、「ドイツのときは終わって、いろいろと個人でもチームでも反省があった。こうしてまた参加させてもらえるので、役立たせたい。プレー以外のところ、グラウンド以外のこと、合宿中の過ごし方とか、ゲームに行くまでの持って行き方とか、そういうところで力になれれば。風邪も引かないようにね」と思いを吐露した。
 そこには個人としても、チームとしてもリベンジしたい思いがある。ドイツ大会は、初戦のオーストラリア戦で先制ゴールを決めたものの、大逆転負け。自身のプレーも体調不良の影響で、ゴール以外は思うような内容を示せなかった。ジーコジャパンの顔ぶれを見ると“黄金メンバー”と思われたが、あっけなく一次リーグ敗退。俊輔は一部報道などで“戦犯”の一人に挙げられた。
 今度こそ、チーム一丸で戦いたい。前回は、主力選手と控え選手とが明確に区分され、チーム内で大会に対する“温度差”があった。俊輔は自身がベストな状態ではなかったことや、年齢的に中堅だったこともあり、チームをまとめることができず、やりきれない思いをしていた。今大会、背番号は「10」で司令塔だが、黒子役に徹してチームをまとめるつもりだという。
 「失敗とかそういうことではなくて、ジーコのときは(ドイツでは実力的に)誰がレギュラーで出てもいいなかで、紅白戦でがっちり(メンバーを分けて)やったり。(その上)そこにマスコミやファンの人を入れてたりした。そこで選手がモチベーションがなくなるのはいけないけど、それを保つのは難しいこと。記事にもされてるけど、食事会場がどうだったとか(書かれた)。そういうところばかりに、俺が目を向けていくわけにはいかないけど、ちょっと気づいたことがあったら言っていきたい。外(欧州リーグ)に出たことで、チーム全体を見渡してから、自分のプレーを出して、勝利に貢献するというのが出来てきた。他の選手のプレーを引き出したりとか、全体を見ながらやりたい」
 我を捨てて、チームのため、日本のために。その結果、自分も-。これが俊輔の思いだ。これまでクラブレベル、セルティックでは欧州CLでゴールするなど世界舞台で数々の活躍を残したが、日本代表でもそれを再現したい思いがある。自身最後になるかもしれないW杯で、個人としても、チームとしても納得のいく結果を目指す。
(取材・文 近藤安弘)
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