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日本vsカメルーン 試合後の選手コメント

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[6.14 W杯グループリーグE組 日本1-0カメルーン フリー・ステイト]

 日本代表は14日、ブルームフォンテーンのフリー・ステイトでグループリーグ初戦のカメルーン戦に臨み、1-0で勝った。前半39分、MF松井大輔の右クロスからFW本田圭佑が左足でゴールを破り、先制点。虎の子の1点を最後まで守り切り、勝ち点3をつかんだ。
以下、試合後の選手コメント

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「ここ最近、チームとしてなかなか結果が出なくて、正直、雰囲気もあまりよくなかったかもしれないけど、みんなで我慢して前を向いて進んでいったことが素晴らしい結果につながったと思う。やはり自分たちの強みは団結力だと思うし、最後までみんなが自分たちの力を信じて、ゴールを奪われないように守ることができた。ここ最近もいい守備ができていたし、不運な形で失点していた。チームとしてもそう思っていたし、守備は狙い通りにできたと思う」
―得点の場面は?
「ボールがよかった。あとは落ち着いて決めるだけというシーン。ただ、最近はそういうシーンで外していた。本番の大事な試合で決められてよかった」
―最後はカメルーンもパワープレーに来たが?
「守備は常にベストを尽くすが、やはりみんな、後ろの選手が頑張ってくれた。後半、相手が蹴ってきたから、特に守備陣が頑張ってくれた」
―得点シーンはファーサイドを狙っていた?
「狙っていたわけじゃない。来たらいいなと思っていたら、いい形ですべてがうまくいった。(大久保)嘉人さんが前で競ってくれて、相手が見事にかぶってくれた。トラップがよくて、意外と落ち着いて蹴れた」
―1トップのプレーをしたわけじゃない?
「自分のプレーをした。昨日、一昨日と“楽しんでプレーしよう”とメンタルコントロールしていた。あとはなるようになると。何事も死ぬ気でやれば、いい結果が出るということを証明できた。でも、まだ1勝。あと2敗したら次には行けない」
―吹っ切れた?
「オレはストライカーじゃないし、ストライカー的なことをやってもしょうがない。初心に帰るというか、自分にできることをやって、相手の嫌なことをしようと。中盤に下がってボールを受けたり、本来の自分のプレーをやろうと思った。2点目を取れなかったし、課題が見えたことはよかった。オランダはこんな簡単じゃない。いいスタートを切れたけど、大事なのはこれから」
―相手を背負いながらも起点になっていたが?
「それはチームとして。(川島)永嗣クンとも話して、だれと競ったら勝てるかといったら左サイドバックしかいなかった。あれは狙い通りで、何回も起点になれた」
―得点後、ベンチに行ったのは?
「“点を取ったら来いよ”って話を憲剛クンから言われてて。喜び出して5秒後に思い出して、方向転換した」

●FW岡崎慎司(清水)
―試合前に監督はどんな話を?
「戦術的なことはずっと言ってきていたし、今日は“見せてやろう”“迷いのないサッカーをしよう”という話ぐらい。みんな体で競っていたし、虎視眈々と狙うサッカーをして、ワンチャンスを(本田)圭佑が決めて。1戦目で堅いところはあったけど、意思の疎通をしっかり取れた」
―本田の1トップはどう?
「自分がサイドに入ったときはやりやすい。受けてくれる人がいるから。周りが飛び出せばいいし、圭佑も結構サイドに流れたりするから」
―オランダ戦は先発の可能性もあるが?
「チャンスがあれば行きたいし、前からプレッシャーをかけて、今までみたいな試合にならないようにしたい。次の相手はもっと強力。カメルーンは思っていたようなチームじゃなかった。パスも余裕を持って回している感じじゃなかった。自分は途中出場でも先発でも変わらない。裏に抜けて勝負する積み重ねの中でゴールを決めたい。みんなで勝った勝利だし、チーム一丸になって勝った。それでも自分はFWなので、点を取れば一番うれしいし、次チャンスがあれば、点を取りたい」

●MF松井大輔(グルノーブル)
「大事な初戦に勝つことができてうれしい。周りからは“弱い日本”と思われていて悔しかったし、ピッチで証明することができてよかった」
―先制点のアシストの場面は?
「3回も4回も同じことをやってもしょうがない。僕は左でも蹴れるから。思い通り、いつも通り蹴れた。監督からは早めにGKとDFの間に入れていけと言われていて、最初は早めに右足で何回か上げていたけど、左足の方が好きだから、ちょっと持ち直して」
―1点取ってからの試合運びは?
「もうちょっとつなげたと思う。びびりすぎていたというか、もう少しキープできたと思う。もう少しつなげたと思うし、それが次の課題。オランダ戦、デンマーク戦でもつなぐところとカウンターをうまく混ぜながらやりたい。勝ったことでみんな自信がみなぎっている。次は戦い方が変わるかもしれないけど、臨機応変にやっていきたい」
―球際でも勝っていた。
「球際のところは監督もずっと言っていた。そういうのができたのが僕としてはうれしいし、欧州でやっている人もやってない人もその重要性が分かったと思う」
―W杯で勝った心境は?
「すごくうれしいし、勝つことによって、自信というか、今まで自分たちがやってきたサッカーが正しかったことを証明できた。国民というか、テレビで見ている世界中の人が、日本が勝ったことで“いいサッカーをするな”と思ってくれる。それを誇りに思う」

●MF大久保嘉人(神戸)
―ゴールを演出したが。
「とにかく中に入れてくれと俺は言っていたから。そこに入れたら2人が付いてくるからね。シュートしようかなと思ったけど、ここに2人いたし、(本田)圭佑も見えたから、これはいけるんじゃないかなと思った。でも圭佑は見えづらかったんじゃないかな」
―前の3人で1点取れた。
「それは良かったっすね」
―内容は?
「内容はあれですけど、勝てたからいい」
―うれしい?
「うれしいですけど、まだあと2試合あるから、そこで2連敗したらいけない。このままいい方向でいければ」
―よく走っていた。
「きつい。でもあれだけ走れば逆に気持ちいい。高さはそこまで感じなかった。やっぱり、慣れたんじゃないかな」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―キャプテンマークをつけてプレーしたが?
「初めて勝ったのでちょっとうれしいですけど、でもキャプテンに関してはそんなに深く考えていないし、今日は試合前の国歌のときに肩を組んでというのは、そういうのは他の選手が言ったことだし」
―誰が言い出したの?
「闘莉王っていう話ですが。僕らだけっていうのもあれなので、監督に僕から言って(ベンチもやった)」
―うまく守れた?
「サッカーとしては自分たちの狙い通りのやり方はできたかなと思いますけど、僕たちはこういう泥臭い勝ち方をしていくべきと最近感じている。それができた。しっかりブロックをつくって守備をして、そこから少ないチャンスをものにするということでしたけど」
―結果が大事?
「もう練習からきれいなサッカーをやろうというよりは、まずやっている守備、先制点を与えないという守備をやっていた」
―次はオランダ戦。
「オランダはもっと危険な選手がいるし、難しい試合になる。今日勝ったことでいい雰囲気でやれるし、それはオランダ戦に生かせると思う。準備期間で結果が出なくて、いろんな試行錯誤をして、正直、選手も苦しかったし、不安もあったけど、勝ったことで自信になるというか、みんないい顔をしている。僕たちは予選のときも世界を意識して前からプレスをかけてきたけど、それが強い相手になってなかなかうまくいかなくて…。サッカーは生き物。僕らもどんどん考え方を変えないといけないし、方針転換してよかったと思う」
―W杯で勝った心境は?
「すごくうれしいし、ほんとうれしいけど、やっぱまだ1試合。また次だなと思っている」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―W杯で勝った心境は?
「もちろんうれしいですし、日韓大会以外で、アウェーの地で初めて挙げた1勝。非常に満足しています」
―選手が集中して試合に入れていた?
「いいメンタルというか、いい手応えで臨めた。前半から気持ちの入ったプレーができた。初めてW杯のピッチに立つ選手も多かったけど、ミスを恐れず、前向きにやった結果が勝利につながったと思う」
―自分自身も初めてのW杯のピッチだったが?
「4年間、すべてをW杯のためにではないけど、代表選手としてこの4年間ほとんどの試合に出てきて、そういう責任の重さは感じていたし、4年前の悔しさも忘れてなかった。勝ってよかったし、でもこれがスタート。あと2試合残っている。いいプレーをして、いい結果を出したい」
―後半の戦い方は?
「ロングボールを入れてくるのは予想していたので、相手のサイドバックに岡崎と(矢野)貴章にプレスをかけさせて。取ったあとに裏のスペースが空いていたのに、今日はそこをうまく使えなかったけど、前から追いかけ回してくれれば、楽にいける。すかすかだったし、もう少しつなげればよかったけど。エトーとかうまい選手がいるし、自由にさせないようにと思っていた。そこのサンドイッチ、プレスバックがよかったと思うし、それはうまくいった」

●MF阿部勇樹(浦和)
「勝てて良かったけど、まだ2試合ある。守備で自分の役割もハッキリしていたので、それだけやろうと思っていた。後ろが2枚のときは極力後ろからで、相手が1枚で後ろに行って守っているなら、なるべく前にプレッシャーをかけにいければということで、後ろを見て自分でポジショニングを変えようと思っていた。やれたところもあると思います」
―ロングボールの時間帯は?
「時計がわからなかったので、とにかくセカンドボールを相手に拾われないようにということを意識していた。抑えられて良かったです。時計がなくて逆に良かったです。集中できました」
―中盤の関係がよかった。
「話しながらやった。前の2人の近くにいるか、センターバックの近くにいるか。その判断を話しながらできた」
―ブブゼラが鳴っていても声は聞こえた?
「思ったより声は聞こえた。目だけでも確認できるし」
―W杯で勝った心境は?
「あんまり分からない。あと2試合あるし、そっちが勝負」

●MF稲本潤一(川崎F)
「今日の勝利は日本にとって大きい。ホームでやった02年以来の勝利だし、アウェーでは初勝利。勝ったあとはみんな前向きになれるし、雰囲気もいい。次のオランダ戦は両チームにとって重要な試合。気持ちを入れ替えて、いい自信を保って次に臨みたい。次は決勝のようなもの。オランダはトップレベルのチームだし、もっとハードな試合になる」

●DF田中マルクス闘莉王(名古屋)
「今日は攻撃参加は自重した。いろいろ見せすぎてもよくない。右を見せたら左。左を見せたら右。いろいろ考えてやっているからね。とにかくDFとしては点を与えずに勝ったこと、これは大きい。しかも相手はカメルーンだしね。次につなげたいですね」

●DF長友佑都(F東京)
「よかったー、ほんま。しびれるね。みんなで勝ち取った勝利。いろいろ言われてきたけど、この勝利でいろんな部分を見せられたと思う」
―エトーを封じ込めた。
「やられる気はしなかったし、最初の1対1で間合いを取ったときから“やれるな”と自信を持てた。ほんとに仕事をさせなかったと思う」
―後半はきつかった?
「あれだけでかい選手がいる中で、セットプレーとかそっちの方が怖かった。でも競り合う人がいれば、サイドバックの僕らがカバーして、そういうのがしっかりできていた」
―次はオランダ戦だが?
「勝ったときこそ、いろんなことを修正して、ビデオを見て反省しないといけないけど、この雰囲気を持ち続けることが大事だと思う」

●DF駒野友一(磐田)
「前半に1点が取れて、後半はロングボールに対して守る形になったが、そこで耐えられたことはプラスになったと思う」
―守備面の指示は?
「斜めに走る動きに付いていくか、中に任せるかに関しては言われたが、どちらかと言えば13番(モティン)の方がサイドに出て、足元にもらう形が多かったので、まずはプレッシャーをかけに行こうと思っていた」
―守備の狙いは?
「後半はロングボールが多かったので、真ん中のセンターバック2人が競ったこぼれ球を意識していた。ゼロで抑えられたことは次につながる。4年前も1点を取ってから失点して崩れた。今回は1点取ってゼロに抑えられたので次につながると思う」

●GK川島永嗣(川崎F)
「やるまではバタバタするかなというのも想定していたけど、始まったらみんな落ち着いて、やることも分かっていた。向こうも前半は前からプレッシャーに来ていたし、中盤でパスを回すスペース、タイミングがなかったけど、時間がたってそういうところが空いて、突くことができた」
―本田の先制点が効いた?
「ここまで得点のチャンスがなかったし、先に取れていい形で試合をできた。前半は向こうもたたみかけて来るというのがなかったし、後半は確実に来るだろうなと思っていた。体力的なことを考えれば、危ないシーンが来ると思っていたけど、最後までよく守れたと思う。自分自身もいい形で対応できたけど、11人全員が球際、守備のところで強くいけていたし、自分だけでなく、チームとしていい結果につながった」
―W杯で勝った今の心境は?
「自分がこういう舞台に立ってプレーしているというのはうれしいし、不思議な気持ち。今日の1勝は日本のサッカーの中で1つの歴史になると思うし、また一歩を踏み出せた。でも、まだグループリーグは残っている。1歩でも2歩でも前に行きたい」
―オランダ戦に向けては?
「時間は限られているし、まずしっかりコンディションを回復したい」
―後半ロスタイムの決定機を止めた場面は?
「流れの中で(シュートが)来たら反応しようと思っていた。いい感じで反応できた」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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