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岩政が"特別な日"に上々の代表デビュー

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[10.10 キリンチャレンジ杯 日本2-0スコットランド 日産ス]

 待ち焦がれたA代表デビュー。DF岩政大樹(鹿島)は空中戦で抜群の強さを発揮し、チームの完封勝利に貢献した。

 「高さでほとんど負けなかったし、カバーリングの戻りもよかった。相手によっては彼の高さ、強さを生かせるかなと思った。特徴を出してくれた」。試合後の岡田武史監督はそう高く評価した。

 本人も「しっかりアピールできたというのはあると思う。採点? 全体的に6.5ぐらいかな。欲を言えばキリがないけど、最低限やることはできたと思う」と納得の表情だった。

 岩政にとって、10月10日は特別な日だった。昨年12月に結婚したばかりの妻・千香子さんの24歳の誕生日。スタンドで試合を見守った愛妻に、最高の誕生日プレゼントを届けた。

 本物のプレゼントは「まだ渡せてない。来週の磐田戦(17日)の帰りに買っていきます」と苦笑いだったが、「今日で十分ですよ」と白い歯をこぼした。

 岡田ジャパンの初陣となった昨年1月26日のチリ戦から招集されていたが、2月の東アジア選手権前に負傷離脱するなど出場機会がなく、1年半ぶりの招集となった9月のオランダ遠征もベンチを温めるだけだった。

 今度こそは――。“3度目の正直”を冷静に待った。「期待しても、期待しなくても、選手がすべきことはしっかり準備することだけ。あまり期待しない方がいいかなと。変な意味ではなくね。あまり考えすぎると、準備にも影響が出る」。自然体を貫き、力を抜いた。「最初の招集のときとは違う。僕も大人になったのかな。1、2つ年を取って、それなりに年相応になったかもしれません」と笑った。

 上々の代表デビュー戦だったが、DF中澤佑二、DF田中マルクス闘莉王という不動のセンターバックを脅かすまでには至らなかったのも確か。本人も3番手のセンターバックで甘んじるつもりはないだろう。さらなるアピールへ、レギュラー獲りへ。代表での本当の戦いは、この日から始まる。

<写真>日本代表DF岩政
(取材・文 西山紘平)

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