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石川は持ち味発揮で“合格”。岡田監督も「十分使える」

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[10.10 キリンチャレンジ杯 日本2-0スコットランド 日産ス]
 日本代表に新たな武器が誕生した。MF石川直宏が先発で2072日ぶりにA代表のピッチに立った。最初はトップ下、前半途中から得意の右サイドに入って、スペースに飛び出す動き、ゴールに向かう動きをいかんなく披露。“切り札”になれる可能性を見せ付けた。岡田武史監督も「前半は(DFラインの)裏へ出て行って、長い距離を走っていた。(これが)利いていた。試合の流れを変えるのに、十分使えると思った」と大絶賛した。
 「ボク自身の役割はしっかりとできたかなと思う。やれるという手ごたえを感じましたね。飛ばしてた? 90分もたせようとかは考えていなかった。どうなっちゃうかな、とは思ったけど、最初からペースは考えないでやった。もう少し長くやりたかったですね」と石川。トップ下でのプレーは不慣れなため、やや窮屈そうだったが、持ち味は出した。復帰戦は65分間のプレーとなり、本人もまだまだプレーしたそうだったが、中身は濃かった。
 石川が走るたびに観衆が沸いた。それに乗るように、ガンガン裏に飛び出した。前半3分には左サイドで受けてDFを一人交わしてクロス。同12分にはオフサイドになったが、左サイドでMF中村憲剛のスルーパスに反応した。同41分には左サイドでDF今野泰幸の縦パスに抜け出し、左サイドを深くえぐってから決定的なグラウンダークロスを入れた。
 特に中村憲剛とのコンビネーションは息がぴったり。中村憲剛のパスに反応し、またパスを引き出す動きを何度も見せた。この日は出場しなかったが中村俊輔遠藤保仁らパサーとの相性は良さそう。岡田監督が言うように、試合の流れを変える、ゴールを奪う“スーパーサブ”として効果を発揮しそうな予感だ。
 「W杯が見えた? 自分でチャンスをつかみ取りたい。今日は自分の目的を持った中でプレーができた。いいチャレンジができたと思う。ボクの中ではゴールに向かう姿勢とか、動きは出せたと思う。これからもやるべきことをしっかりとやっていきたい」と手ごたえを口にした石川。高評価を得ても、本人に浮かれた様子はまったくない。さらなる進歩を狙っている。確実に“第1回新戦力テスト”に合格した。今後もナオらしさを発揮し、W杯への道を突き進んでいく。
<写真>日本代表MF石川 
(取材・文 近藤安弘)

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