[戦評]“スパーリング”のような試合、この強化のスピードで大丈夫か
[10.10 キリンチャレンジ杯 日本2-0スコットランド 日産ス]
田村修一の「視点」
日本代表にとってスコットランド戦はまるで“スパーリング”のような試合だった。
8日の香港戦やこれまでの試合と比べて、これだけ多くの面子を変えてしまったらコンビのコンセプトが曖昧になるのは仕方ない。記者会見でのメディアからの質問が3つしか出なかったくらい、注目点を見出すことが難しい試合だった。個人の評価は出来てもそれ以外は評価しようがない試合だった。
果たして、来年のW杯へ向けてこれで順調なのか。きょうの試合からでは正直参考にならない。多くの選手をテストしたことで、W杯メンバーとなる可能性のある選手のグループを拡大する手がかりはできたかもしれないが、今回来日したスコットランドのレベル、コンディションを考えたらそれも「グループが拡大した」と断言することはできないだろう。14日のトーゴ戦の後も印象は変わらないと思う。
岡田監督がこれだけメンバーを入れ替えてテストに専念したことに関しては評価していい。岡田監督は日本人監督がなかなかやらないであろうことに踏み切った。この相手では大きくメンバーを入れ替えても問題ないと判断したのだろうが、破綻せずに勝ちきった。ただ成果は少なからずあったと思うが、W杯へ向けて順調に進んでいるかと言えば、進んでいると実感することはできない。
この強化のスピードで本当に大丈夫なのか。
現在の実力では間違いなく、W杯でグループリーグを突破することは難しい。この後、W杯までの間にもう一段階か、二段階伸びていかなければならない。その段階がいつ来るのか見えないのが「不安」だ。
比較することが必ずしも正しいとは思えないが、例として挙げると、トルシエ監督はW杯の前年の11月には「マシンは完成した」と言い切っていた。オシム監督の終盤も方向性が見えたから、周りがワクワクしたのではないかと思う。
「伸びる時期」はW杯直前でも構わないが、そうすると準備期間があまりにもない。岡田監督自身、「この時期に伸びる」という確固たるものはないと思うが、現時点では答えはまだ出てきていない。まさか伸びることのないままW杯を迎えることはないだろうが、実感できるまで不安は尽きない。
(取材 フットボールアナリスト田村修一)
田村修一の「視点」
日本代表にとってスコットランド戦はまるで“スパーリング”のような試合だった。
8日の香港戦やこれまでの試合と比べて、これだけ多くの面子を変えてしまったらコンビのコンセプトが曖昧になるのは仕方ない。記者会見でのメディアからの質問が3つしか出なかったくらい、注目点を見出すことが難しい試合だった。個人の評価は出来てもそれ以外は評価しようがない試合だった。
果たして、来年のW杯へ向けてこれで順調なのか。きょうの試合からでは正直参考にならない。多くの選手をテストしたことで、W杯メンバーとなる可能性のある選手のグループを拡大する手がかりはできたかもしれないが、今回来日したスコットランドのレベル、コンディションを考えたらそれも「グループが拡大した」と断言することはできないだろう。14日のトーゴ戦の後も印象は変わらないと思う。
岡田監督がこれだけメンバーを入れ替えてテストに専念したことに関しては評価していい。岡田監督は日本人監督がなかなかやらないであろうことに踏み切った。この相手では大きくメンバーを入れ替えても問題ないと判断したのだろうが、破綻せずに勝ちきった。ただ成果は少なからずあったと思うが、W杯へ向けて順調に進んでいるかと言えば、進んでいると実感することはできない。
この強化のスピードで本当に大丈夫なのか。
現在の実力では間違いなく、W杯でグループリーグを突破することは難しい。この後、W杯までの間にもう一段階か、二段階伸びていかなければならない。その段階がいつ来るのか見えないのが「不安」だ。
比較することが必ずしも正しいとは思えないが、例として挙げると、トルシエ監督はW杯の前年の11月には「マシンは完成した」と言い切っていた。オシム監督の終盤も方向性が見えたから、周りがワクワクしたのではないかと思う。
「伸びる時期」はW杯直前でも構わないが、そうすると準備期間があまりにもない。岡田監督自身、「この時期に伸びる」という確固たるものはないと思うが、現時点では答えはまだ出てきていない。まさか伸びることのないままW杯を迎えることはないだろうが、実感できるまで不安は尽きない。
(取材 フットボールアナリスト田村修一)