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GKが1歩も動けぬ初ゴール、森本「全然強くなかった」

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[10.14 キリンチャレンジ杯 日本5-0トーゴ 宮城ス]

 アフリカ特有の身体能力の高さもモノともしなかった。FW森本貴幸(カターニア)がA代表初先発で初ゴールを叩き込んだ。2-0の前半11分、DF長友佑都の左クロスを受け、ボールキープ。DFを背負った状態から強引に反転すると、右足でゴール左隅へ流し込んだ。

 GKも1歩も動けない鮮やかなシュート。右手で力強いガッツポーズを見せた丸刈り頭をFW岡崎慎司がポンと手で叩いた。「よかったです。いいタイミングで前を向けたので。感覚で蹴った。イメージ通り? そうですね」。代表2戦目で決めた記念の初ゴールを振り返った。

 前半5、8分と岡崎がゴールを決めるなど試合は一方的なペースで進んだ。前日夜に来日したばかりで、平均年齢21.5歳のトーゴに対し「全然強くなかった」とハッキリ言った。それでも「試合に出れたこと、1点取れたこと。相手は弱かったけど、うれしかった」と素直に喜んだ。

 相手がどうであれ、08年の北京五輪以来となるコンビを組んだ新2トップがそろって結果を残したのは大きい。まだまだチームに完全にフィットしているとは言い難いが、だからこそさらに良くなる余地も残っている。

 GK川島永嗣は森本について「後ろ向きで、相手が激しく来てもキープできるし、起点になれる。その中でオカ(岡崎)が飛び出したり、チームの選択肢として良かった」と新たな武器になりつつあると指摘。アシストの長友も「常にゴールに向かっている。1本のパスを狙っているし、そこをもっと見てあげれば、もっと生きるし、もっと点も取れると思う。僕ら次第」と話した。

 さらにコンビネーションが高まれば、森本の良さをチームとして生かし切ることができれば、日本の得点力は確実にアップするはずだ。相手は確かに弱かった。だが、森本の“試運転”としては格好の相手だったかもしれない。

<写真>日本代表FW森本の代表初ゴール
(取材・文 西山紘平)

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