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[Jの新風(5)]GK西川周作(広島)

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[9.8 ナビスコ杯準々決勝第2戦 G大阪1-2広島 万博]

 GK楢崎正剛(名古屋)が日本代表からの引退を表明。約15年間、代表チームを最後尾から支えてきた守護神の引退が惜しまれる一方、次世代を担うGK陣にとっては自動的に世代交代のチャンスでもある。そのひとりがサンフレッチェ広島のGK西川周作だろう。

 南アフリカW杯では直前まで第3GKとして登録メンバー入りが有力視されながら、GK川口能活(磐田)のサプライズ選出の陰で涙をのんだ。

 「僕になくて能活さんにあるものはリーダーシップ。それは自分も納得したし、それが足りないなら自分のチームで付けていこうと思った」

 ブラジルW杯へ気持ちを切り替え、4年後に向け日本代表監督も替わった。4日のパラグアイ戦、7日のグアテマラ戦はW杯メンバーのGK川島永嗣、楢崎の2人しか招集されなかったが、ザッケローニ新監督が自ら選考する10月以降は一からの競争が待っている。

 西川にとって当面のライバルとなるのが、W杯本大会直前に正GKのポジションを奪った川島だ。「イングランド戦でチャンスをもらったとき、いい準備をしていたからいいパフォーマンスを出せたのだと思うし、本当に練習にストイックで、学ぶところがたくさんあった。目標にしている選手だけど、それを越えていきたい」と堂々と宣言した。

 この日も前半17分に正確なフィードでFW佐藤寿人にピンポイントのパスを送り、結果的にDF加地亮の一発退場を誘発した。キックの精度は日本人でも随一。アピールを続けることで、当然チャンスもやってくるはずだ。

 「1失点は反省しないといけないし、次のC大阪戦に切り替えていきたい。C大阪は好調だし、注目されている分、勝てば自分たちも注目されると思うので」。準決勝進出の余韻に浸ることなく、11日のC大阪戦へ静かに闘志を燃やした新守護神候補。楢崎という大きな核を失った新生ジャパンにとっても、西川のさらなる成長、台頭が待たれているのは間違いない。

<写真>広島GK西川
(取材・文 西山紘平)

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