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日本vsパラグアイ 試合後の選手コメント

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[6.29 W杯決勝トーナメント1回戦 日本0-0(PK3-5)パラグアイ ロフタス・バースフェルド]

 日本代表は29日、決勝トーナメント1回戦でパラグアイと対戦。史上初のベスト8進出をかけた決戦は0-0のまま延長戦を含めた120分間で決着が付かず、PK戦に突入。後攻の日本は3人目のDF駒野友一がクロスバーに当ててしまう。パラグアイは5人全員が成功。PK3-5で敗れた。
以下、試合後の選手コメント

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「(PKを)外したコマさん(駒野)は責められない。内容はパラグアイの方がいいサッカーをしていた。結果がすべて。順当な結果だと思う」
―内容で向こうが上だった?
「そうですね。僕らは敗者なので。明日の記事には“応援してくれたファンの皆様にありがとうございます”と言っていたと必ず書いてください。目標を達成できなかったことは受け止めないといけない。多くの人が批判してくれたことにも僕は感謝している。目標は達成できなかったけど、批判する人がいなかったら、ここまでも来れていなかったかもしれない出来だった。今日の結果で残念に思っている人もいると思うけど、ありがとうございますという言葉を伝えたい」
―4年後に向けて必要なことは?
「サッカー人生はまだ続く。全員がそう。出た選手も、出てない選手も、何が必要かをこの大会で感じることができた。それを4年間でどう埋めるか。生半可なことではない。内容はともかく勝ちにこだわって、そういうやり方でここまで来た。次は欲を出して、もっと攻めに行く姿勢を世界に見せる番じゃないかなと思っている。そこにこだわってきたけど、俺は物足りなかった。すべてはそこだと思う」
―次のW杯は違うスタイルで臨むべきということ?
「そういう風に思う。そのためにはすべての技術の部分を向上させる必要がある。日本にいる若い選手も海外に出るべきだと思う」

●FW岡崎慎司(清水)
「負けは負け。いろんな思いはこれから出てくると思う。個人の力不足を感じた。もっと強くならないと、世界では通用しないと分かった。先発で出られなかったことも力不足。後悔も悔いもないけど、チャンスをものにできなかったのは力不足。前に進みたい。サッカーへの思いはいっそう強くなった。こういう思いをするなら、死ぬまでサッカーをやりたい」

●FW玉田圭司(名古屋)
「(監督からは)思い切って得点を取ってこいと。あっという間に終わった感じだった。相手とうちの同じような戦いがあって、あまり攻撃に迫力はなかったので、自分が出て何かをしたかった」
―岡崎からヒールをもらった場面は?
「瞬間的な判断だったので、自分の中ではGKが出てきていたので、浮かすしかなかったし、枠に入れるというのはGKがいたら難しかったのかなと。それは見てみないと分からないけど。あのときは打てなかったと思ったからやったんですが、あれをいいプレーにしたかったですね」
―終わってみて。
「本当にあっという間だった。最後は祈るしかなかった。PKは運のところもある。相手のPKがうまかったなという感じです」
―どんなチームだった?
「結束力があって、みんなでひとつになった」
―4年前とそこが違う?
「そうですね」

●MF大久保嘉人(神戸)
「相手より自分たち次第というのはあった。相手の時間が長かったけど、日本は守備ブロックをつくっていたので、回させているイメージでやっていた。それほど怖さもなかった。PK戦は運。ここまでやれたことには自信を持っていい」

●MF松井大輔(グルノーブル)
「日本の価値は世界の人が見て上がったと思う。これを機に下の世代の人も海外に出やすくなると思う」
―W杯で4試合に先発した。
「W杯という大会については、帰ったら実感するものだと思う。自分としてはもっとできたかなと。得点だけが足りなかった。それを違うチームに行ってやりたい」
―クロスバーに当たったシュートも。
「決めたかったですね」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「自分たちが全力でやった結果。それを受け入れないといけない。全部出し切ったと思う。120分間で試合を決着できなかった。PK戦は時の運。そこまでに試合を決着できなかった自分たちの原因。相手も堅い守備をしていたけど、自分たちもいい守備ができていた。お互いにそういうところはあったと思うけど、最後の得点が足りなかった」
―パラグアイとの差は?
「あまり差は感じなかった。そんなにやられている感じはしなかった」
―準々決勝でスペインかポルトガルと戦いたかった?
「相手どうこうより、次のステージで戦いたかった。準備期間でうまくいかなかったところは間違いなくあったけど、監督が踏ん切りをつけるというか、違う形でやる決断をしてくれて、チームはいい方向に行った。強みはチームワーク。本当に試合に出ていない選手のサポートも素晴らしかった。こういう短期決戦ではチームワークが重要であることを再確認できた」
―足りないところは?
「今日だけを見れば得点が課題だったかもしれないけど、試合を重ねるごとに攻撃もよくなってきていた手応えはあった。ただ、世界で戦うには、個人のレベルを上げないといけない」
―キャプテンとして臨んだW杯だったが?
「自分はキャプテンとして何もしてない。(川口)能活さんや(中澤)佑二さん、ナラさん(楢崎)、上の選手がチームを引っ張ってくれた。プレッシャーは何もなかったし、今でも佑二さんがゲームキャプテンだと思っている。預かっているだけというか…」
―日本の良さは出せた?
「守備の部分では規律をしっかり持ってプレーすれば、世界でも簡単にやられることはないと感じた。チームとして戦う。そこが日本の強みだと思う。これでチームが解散になってしまうのは残念」
―4年後も代表の中心として期待されるが?
「4年後のことは今はまだ考えられない。ただ、もっともっと個人的にレベルアップしないと、世界では通用しない。所属チームで個人のレベルを上げないといけないと感じた。これからはどんどん若い選手も海外に出ていくと思うし、それは楽しみ。今いる選手も追い抜いてくれることを期待している」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「PKはしょうがない。90分プラス30分で勝負を決めたかった。でも、充実していたし、次につなげていきたい。グループリーグの3試合を含めて、みんな全力で戦ったし、出場できなかった選手も練習やそういうところで盛り上げてくれた。出し切れたと思う」
―今日の試合は?
「チャンスはもちろんあったし、ピンチもあったけど、点が入らない限りは試合には勝てないけど、みんなゴールしたいという気持ちが強かった。抑えもしたし、抑えられもした」
―似たようなチームだったが?
「相手もしっかりと守備をしていたし、やっぱり先に点を取る試合展開にできれば良かった。攻撃の狙いはしっかり守ってそこから早い攻め。落ち着いてボールを回すということ。1つめ、2つめのプレスをかわせば十分チャンスはあると思った」
―PKは?
「一番手だったけど、自分がしっかり決められればいいと思っていたし、相手のGKには威圧感を感じなかった。落ち着いて決められて良かった」
―点が入らないのは?
「精度と言ってしまえばそれまでだけど、もう少し厚みのある攻撃をしたいと思うし、もう少しペナルティーエリアに人数が入るためには、もう少しボールを回したりが必要だったかなと思う。それを増やせればもちろんチャンスはあったと思う」
―今のやり方だと難しい?
「このスタイルの中で、できる限り高い位置でボールを取れればできたと思う。今大会はまず失点しないということを土台にやっていたので、それはオランダ戦以外はほぼできたと思う」
―このスタイルは日本のスタイルとして定着すると思う?
「どうでしょうね。監督次第ですかね。ある程度この戦いで世界と戦えるということを示せたのは間違いないと思うけど、監督が代わることによって変わる可能性はあると思うし、日本の戦い方というものを確立していければいいと思う」
―チームの雰囲気は?
「ある程度、戦い方を変えたり、メンバーを変えたりする中、みんなよくコミュニケーションを取りながらやって、監督もそうだし、間違いなくひとつになれたと思う。初戦を勝ったことで雰囲気もよくなったし、ひとりひとりがチームのためにやっていた。満足はしていないけど、本当に充実した大会だった」
―個人としては?
「基本的に落ち着いてプレーすれば普通にプレーできるとは思った。通じなかったというのは感じなかった。FKは(大久保)嘉人がファウルをもらってくれたおかげ。結果としてまずベスト8に残ってベスト4へのチャンスをつかみたかった」
―試合後の涙が意外だった。
「このスタッフとメンバーとプレーできてよかったと思うし、もう少し続けたかったというのが正直なところです。泣いたのは小学校のとき、高校のときもありましたよ。こういう大舞台で、ワクワクして試合をもう少ししたかったかなというのが正直なところです」
―次は?
「現役でいるうちは代表は目標だし、代表の試合で得るものはすごく大きい。今、すぐ4年後のことは考えていないけど、チャンスがあれば」
―駒野に声をかけた?
「外したあと、並んでいるときはかけたが、終わってからはドーピングだったので」
―ショックでしょうね。
「まあそうですね。これだけ大きい舞台でね。外しはしましたけど、僕も何度も外しましたし、気持ちは分かります。次につなげていけばいいと思う」
―この先に必要なのは?
「ひとりひとりの能力をもっと高いところに持っていきたいというのはあるし、1対1で負けたらサッカーは勝てない。簡単ではないけど、組織は通用する。ひとりひとりが成長することが大切だと思う」
―達成感は?
「達成感はそんなにないけど、W杯で中立国で今まで勝てなかったところに勝てたり。振り返れば、もちろんいいこともある。ただ、今は負けたばかりなので達成感はないけど、ここで得た経験を次につなげていきたい。より自分も成長したいというのは間違いない。多少時間がかかるかもしれないけど、しびれる試合をいっぱいしたので、またしたいなと。こういう大きな大会で、また上にいけたらいい。そういう気持ちを持ち続けると思う。そこは自分の中でしっかり課題を見つけて次のステージへ行きたい」

●MF阿部勇樹(浦和)
「ここで終わるわけではないし、サッカー人生は続いていく。みんなで顔を上げて頑張っていきたいなと思う。戦う相手によって、欧州や南米で違ったなというのはある。次で他の相手とやれたらと思っていたけど、これが結果なので、下を向かずに頑張っていきたい」
―1ヵ月を振り返って。
「楽しかった。大変なことはそれほどなかった。サッカーに集中できる環境で、楽しんで合宿なり試合なりできて、本当に楽しかった」
―やれたという実感は?
「特にないけど、1点勝負だと思っていたし、PKだけど、全選手が持っている力を出して、やれることはやって負けてしまったので、残念だけど、サッカーは続くので、そこはみんな忘れずにやっていかないといけないところかなと。嫌でも続くんだということを、いい意味で思って、続けていきたい」
―やっていくうちにいい方向に進んだが?
「試合を重ねるごとに、相手は違うけど、やり方を変えたりして、そこはスムーズにゲームをやっていけたと思う。こうやったらある程度できると思った。相手も同じくらい守ったり攻めたりしていたので、それ以上にやらないと勝てないのだとは思った」
―疲労感は?
「そんなにきついのはなかった。スタッフや杉田先生のサポートがあって、リカバリーなどで助けられた」
―パラグアイは?
「アグレッシブに来る。特にボールサイドに人数をかけてくるというのはどの試合もやっていた」
―途中からダブルボランチになった?
「20番(オルティゴサ)がフリーで、そこからのロングボールやサイドチェンジに対してなかなかいけない距離だったので、トップ下を置いて後ろ2枚でということでやった。中で話し合ってもやったけど、ベンチからも指示はあった」
―4試合できたことは?
「1試合でも多くやれたことはよかったし、できればこのチームでもっとやりたかった。勝っていれば1試合でも多くやれましたしね。もう少しやりたかった。やってきたことは出せたと思うし、だから今日はPK戦まで行ったと思います。納得はしづらいけど、結果なので、次に向けてここからがスタート。また頑張っていきたい」

●MF中村憲剛(川崎F)
「W杯という舞台はベンチでも体感していたし、ピッチの中でもそれは変わらなかった。ブブゼラがうるさくて、声が通らないのはサッカー選手にとって恐怖。でも、その中でも“らしさ”をもっと出したかった」

●MF中村俊輔(横浜FM)
「日本はガムシャラにならないとね。ダメなときはダメ、いいときはいい。どこの世界でもそうだけど、何がよかったか、何かダメだったのか。逆にフランスとかそうだけど、なんでそういうチームが勝てないのかをちゃんと分析する大会じゃないかな。日本がよかっただけじゃなくて、グラウンドなのか、ボールなのか、標高なのか分からないけど、全部考えないと]
―違うW杯だった?
「違う。やってれば、もっとそう思ったと思う。パスミスが多いよね、今大会。良さが出づらい、いい選手の。そういう感じがする。だから、今までは自分たちのサッカーを思い切りできるのってスペインくらい。それ以外は相手の長所を消すサッカーをした方が、それで前の選手に託す的な。ちょっと変な大会だよ」
―日本もそういうつくり方?
「大会前に岡田さんが気づいたんだと思う」
―点を取る形をつくる時間が足りなかった?
「でもその割には。今までやってきたことがあったから何とかポジションとか変わっても連動したと思う。何を取るかだよね」
―日本が強くなった?
「そう言える立場じゃない。何も言えません」
―試練の大会だった?
「大会前に言ったと思うけど、チームが勝てば、それがすべて」
―ベテランが支えていた?
「そう言われてもね」
―ベンチを見ていても周りに声をかけていた。
「チームが勝てばいいから。これもいい経験じゃないですか。大会が始まる前に外されて、自分が教える立場になったとき、そういうのが生きてくると思うし、トルシエが言ってる意味が分かってくるよね」
―人間的に成長した大会?
「自分で言ってもしょうがない。無駄な時間はないから。いいんじゃないですか、これも。サッカー人生だから」

●DF田中マルクス闘莉王(名古屋)
「やることはすべてやった。最後の最後まで自分を信じて、仲間を信じ合ってできた」
―悔いはない?
「僕は悔やみます。セットプレーで2回チャンスがあった。そこで取ってれば勝っていた。ただ、みんなギリギリのところをやり尽くして、PKで負けた。最高の仲間。誇りに思う。このチームはずっとみんなの心に残るチームだと思う。こういう試合になったら気持ちだけ。相手のPKを蹴った選手をほめないといけない」

●DF長友佑都(F東京)
「楽しめたW杯でした。自分もチャレンジできたし、トライできたW杯だったと思う。悔いはない」
―引き分けは悔しい。
「点は取りたかった。ただ、僕らがここで流している涙や悔しさは絶対に次につなげていかないといけないし、ひとりひとり努力をして、成長していかないといけない。僕と(本田)圭佑でどんどんサッカー界を引っ張っていこうと誓えた涙だったので、引っ張っていきます」
―成長は個人の力?
「個々をもっと強くすれば、もっとチームは強くなると思う。ひとりひとりが戦えて、手応えのあるW杯だったと思うので、次につなげていきたい」
―最後にロッカールームで岡田監督はなんと言った?
「ありがとうと言われました。僕はその100倍のありがとうを返したいです」

●GK川島永嗣(川崎F)
「どんな形でも負けは悔しい。この大会を通して1試合1試合成長してきたことを結果として証明したかった。その悔しさは大きい」
―PK戦になったときの心境は?
「試合前から自分の中ではどういう状況になってもいい準備をしていた。PKになるかもしれないとも思っていた」
―この1ヵ月を振り返ると?
「自分自身がこういう経験をできるとは思ってなかった。考えてなかった。素晴らしい経験ができたという思いはあるし、短い期間だけど、こういう経験が次につながると思う」
―W杯で見えたことは?
「難しいシーンが増えるだろうなと想定してやっていた。実際に試合でもそういうシーンはいっぱいあった。ただ、自分としてもチームとしても、やれたことの方が多かった。それは自信になるし、自信を持って次につなげられると思う。いろんなプレッシャーがある中で、日本のゴールを守ることしか考えてなかった。その中で冷静さを保って、いいプレーができたと思う。最後の崩しのところでは向こうも能力が高かった。先に点を取られると、試合自体が難しくなる。そこは120分間、集中していた」
―PK戦は?
「1本目、2本目といい形で反応できていた。あとのところでもうちょっと合わせたかった。止められなかったのは残念。特に情報はないし、自分を信じてやって、それで1本目は反応できていた」

●GK川口能活(磐田)
「もちろん、ピッチに出る準備はするけど、ベンチにいる試合が増えるだろうという覚悟はできていたし、勝っていくチームというのはベンチの雰囲気もすごくいい。それができないといけないし、それは絶対にやりたいと思っていた。団結力が大事だった。サッカーは個々のスキルも大事だけど、チームプレーだから。みんなで戦う。ひとつの成果はあったんじゃないかなと思う。サブの選手もすごいコンディションがよかった。だから今日出たタマ(玉田)も(中村)憲剛もオカ(岡崎)もよかった。試合が終わった次の日のサブ組の練習もいい雰囲気で、楽しくやれていたし、そういう努力があったから、プレーに表れたと思う。そういう経験はJにもつながる」
―プレーで引っ張ってきた?
「僕は気の利いたことは言えないし、やっていく姿勢を練習から見せるしかなかった。僕の姿勢をみんなが受け入れてくれて、代表から長く離れていたからみんなとうまくできるか不安もあったけど、受けて入れてくれてうれしかった」
―若い選手はみんな感謝している。
「僕の方こそ彼らに感謝している。彼らが受け入れてくれたから。僕もいい経験になった。まだまだトライしたい」
―最初はおとなしいイメージもあったチームが変わっていった?
「おとなしい面もあるけど、内に秘めた熱いものがあった。それを表に出していけるようになった。そこが成長したところ。すべて出しても空回りすることがあるけど、今大会はそれがうまくいった。チームとしてうまく機能したし、いい流れで歯車がかみ合ったと思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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