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「世界を驚かすぞ!!」岡田ジャパンがW杯へ一番乗り

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[6.6 W杯アジア最終予選 ウズベキスタン0-1日本 タシケント]

 岡田ジャパンが世界一番乗りだ!日本代表は6日、アウェーでのウズベキスタン戦に1-0で勝利。A組2位以内を確定させ、4大会連続4回目のW杯出場を決めた。開催国の南アフリカを除けば、各大陸予選の中で日本のW杯出場決定は世界最速。予選2試合を残しての予選突破となった。

 「世界を驚かすぞ!」。W杯出場決定の記念撮影のためピッチで輪になった選手の中から大声が鳴り響いた。声の主はGK楢崎正剛。岡田ジャパンの合言葉とも言うべき大号令に続いて「1、2、3…」のかけ声に合わせ、全選手が「ダーッ!!」と叫んだ。

 試合後、選手が着替えたTシャツには「世界を驚かす覚悟がある」と刻まれていた。1年半前、岡田武史監督は代表監督に就任した際、「W杯でベスト4を目指す」と選手の前で宣言した。無謀にも思える目標に、指揮官は真剣に取り組み、選手も徐々に付いていくようになった。

 12年前のジョホールバルの歓喜に続く自身2度目のW杯予選突破となる「タシケントの歓喜」。岡野雅行のVゴールの瞬間、岡野に向かって猛ダッシュした岡田監督だが、今回は試合終了直前に退席処分となったこともあり、スタンドの下でW杯決定の瞬間を迎えた。

 「12年前とは全然違う。前のときは追い込まれていたし、(W杯に)出ることが目標だった。今はこれからがスタート。よし、いよいよだなという感じ。目標に向かってチャレンジできるスタートラインに立つことができた」

 試合は死闘になった。主審の不可解なジャッジに悩まされ、何度もプレーが止まった。日本らしいパス回しはできず、アウェーの雰囲気に押されてミスもあった。それでもチーム全員が一丸となり、勝利をもぎ取った。

 アウェーの環境にも、ジャッジにも負けない精神的な強さやタフさ。それこそが岡田監督の求めてきたことだった。

 試合前からスタジアムは異様な雰囲気に包まれていた。約3万人のウズベキスタンサポーターの大歓声とウェーブが巻き起こり、試合前の国旗入場では日の丸がピッチに現れるなり大ブーイングとなった。

 引いて守ってくるかと思われたウズベキスタンだったが、観客の熱気に押されたか、予想以上に積極的に攻めに来た。だが、相手が前に出てくるのは日本にとっては好都合。前半9分には狙い通りの形で先制点を奪った。

 前半9分、速攻から長谷部誠、中村憲剛とつなぐと、最終ラインの背後に走り込んだ岡崎慎司に中村憲が浮き球のスルーパスを送る。岡崎のシュートはいったんGKに弾かれたが、体勢を崩しながらも頭で跳ね返りを押し込み、ゴールネットを揺らした。

 先制した日本は余裕を持って試合を運びたかったが、なかなか落ち着かない。1トップの大久保嘉人にボールが収まらず、中盤の不用意なパス回しからカウンターを浴びるなどウズベクに反撃を許した。

 ウズベキスタンは速いタイミングで前線にボールを入れ、強引な中央突破を仕掛けたが、中澤佑二と田中マルクス闘莉王が力強く跳ね返す。ウズベクはラストパスやシュートの精度が低く、セットプレーのチャンスも生かせなかった。

 1-0で折り返した後半に入ると、ウズベキスタンがさらに圧力を強めた。前線から厳しくプレッシャーをかけ、球際でもファウル覚悟の激しい当たりを見せた。

 後半35分過ぎにウズベクが3連続セットプレーを獲得するが、楢崎が再三、好セーブを見せ、ピンチをしのぐ。スタジアムの観客は敗戦を覚悟したか、ここから徐々に帰路につきだした。

 主審のジャッジに悩まされ続けた日本に追い打ちをかけたのが、予期せぬ退場劇。後半44分、長谷部がひじ打ちしたとして、まさかの一発退場となると、この判定に激怒した岡田監督が主審に抗議し、退席処分を受けた。

 スタジアムに残っていたウズベクサポーターは歓喜の雄たけびを挙げ、場内は騒然とした雰囲気になった。直後のロスタイムには相手シュートが楢崎の手をかすめてクロスバーに当たる場面も。ウズベキスタンは最後まであきらめずにゴールを狙ったが、それ以上に日本の守備陣が体を張り、集中力を保っていた。

 虎の子の1点を守り抜いて手にした勝ち点3。W杯切符をつかみ取った選手たちはピッチ上で抱き合い、アウェーに駆けつけた約1000人の日本人サポーターからも歓喜の歓声がこだました。

 なお、W杯出場を決めたイレブンが試合後着用した「W杯出場記念Tシャツ」がアディダスから発売。表側に「世界を驚かす覚悟がある」とプリントされたこのTシャツを、ゲキサカでは限定3名にポイント交換(3000Pt)でプレゼント。早い者勝ち!

<写真>W杯出場を決め、歓喜のウォーターファイトをする日本代表選手たち

(取材・文 西山紘平)

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