beacon

【連載】2010Jリーグ新天地での挑戦(14)GK西川周作(広島)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 “攻撃的GK”の真骨頂を見せる。サンフレッチェ広島に完全移籍したGK西川周作。ジュニアユース時代から育った大分への愛着はだれよりも強かった。しかし、財政難により主力選手の放出が余儀なくされたクラブ事情の影響で、残留か移籍かで苦悩した西川も最終的に移籍の道を進むことになった。

 入団会見では「何よりもまず広島のサッカーに魅力を感じていた」と移籍を決意した理由を明かした。徹底してボールをつなぐ広島のパスサッカーでこそ、自分の持ち味もさらに発揮できる。そんな思いが広島移籍を後押ししたのは間違いない。

 広島のペトロヴィッチ監督はGKも含めたビルドアップを求めている。ユース時代には自らFKを蹴るなどキックの正確さには折り紙付き。「広島のスタイルは、GKも簡単には前に蹴らず、つないでいくスタイル。ペトロヴィッチ監督からは足下の技術も求められると思うので、もっとレベルアップしたい」と、得意のロングフィードだけでなく、正確なボールコントロールとつなぎの技術向上にも意欲を見せた。

 もちろん、“必殺”のピンポイントフィードも狙っていく。「(佐藤)寿人さんもいるし、一発でカウンターになるキックを見せたい。守るよりも攻撃が好きだし、ゴールに絡めれば」。GKでありながら得点に絡む。普通であれば、とても実現可能とは思えない“公約”も西川のフィードであれば不可能には思えない。

 生まれ育った地元を離れる今季は、西川にとってリスタートのシーズンとなる。背番号は大分に入団したプロ1年目に付けていた21番に決まった。「初心に帰って、頑張りたい。ACLのチャンスもあるし、広島を世界にアピールしたい」。リスクを冒す攻撃的なスタイルなだけに守備には不安もあった広島が、心強い守護神を迎え、アジアの舞台へ挑戦する。

▼関連リンク
第13回ドゥトラ(京都)
第12回荒田智之(磐田)
第11回イ・ジョンス(鹿島)
第10回田代有三(山形)
第9回田中マルクス闘莉王(名古屋)
第8回河原和寿(新潟)
第7回都倉賢(神戸)
第6回森重真人(F東京)
第5回小野伸二(清水)
第4回藤田優人(横浜FM)
第3回小宮山尊信(川崎F)
第2回北野貴之(大宮)
第1回柏木陽介(浦和)
※この連載では10年シーズンに新天地へ移籍した注目選手をJ1の18チームから1人ずつピックアップしていきます(新人選手は除く)

TOP