beacon

「心の底から『ありがとう』」鄭大世が“故郷”川崎に別れ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.14 J1第11節 川崎F 0-0 大宮 等々力]

「人間ブルドーザー」「大きな世界へ」。川崎フロンターレで成長し、アジアを代表するストライカーとしてボーフム(ドイツ)へ移籍する北朝鮮代表FW鄭大世が、14日の川崎Fvs大宮アルディージャ戦(等々力)後に行われた激励セレモニーにGK川島永嗣とともに出席。試合後、大半のサポーターが残る中で行われたセレモニーでバックスタンド前の壇上から挨拶した鄭は涙で何度も言葉が途切れかけた。

 朝鮮大学校から全くの無名で入団。当時は報道陣からも声をかけられることはなかったと振り返る。それでも「多くの人たちに自分の名前を知ってほしい、(サポーターに)応援歌をつくってもらえるように必死で努力してきた」男は、不動のストライカーとなり、川崎FをJリーグを代表する強豪の位置へと引き上げた。そして自身も、北朝鮮代表としてW杯で世界を相手に戦うまでに成長した。

 この日、試合以上とも思えるくらい“アツい”声援で送り出してくれたサポーターには「等々力の皆さんが名前を覚えてくれて、応援歌を歌ってくれたことは一生忘れない」と感謝。世界トップの選手になるために川崎を後にしてドイツで挑戦するFWは「ここ(川崎、等々力)はオレの故郷になりました。本当に本当にありがとうございました。みんなには『ありがとう』だけでは言い尽くせない。でも心の底から言いたい。ありがとう!」。一緒に戦ってきたサポーターに、今贈ることのできる精一杯の思いを伝え、“故郷”を後にした。

<写真>サポーターと別れの挨拶をする鄭大世
(取材・文 吉田太郎)

TOP