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3年連続のトーナメント初戦の"壁"、岩政「力不足としか言えない」

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[5.12 ACL決勝トーナメント1回戦 鹿島0-1浦項 カシマ]

 鹿島アントラーズがまたしても決勝トーナメント初戦の“壁”に阻まれた。大会方式の違った2年前は準々決勝敗退だったが、昨季は今回と同じく決勝トーナメント1回戦。3大会連続でグループリーグ後のトーナメント初戦で姿を消すことになった。

 「ACLは毎回同じところで負けている。3度も同じ失敗をするというのは力不足としか言えない」。DF岩政大樹は唇を噛み、悔しさを押し殺した。

 相手の浦項スティーラーズは昨季のアジア王者とはいえ、今季のKリーグでは15チーム中12位と不振にあえいでいた。10日には最近9試合で未勝利という成績不振を理由にワルデマール・オリヴェイラ監督を解任。わずか3日間という準備期間で、コーチのパク・チャンヒョン氏が暫定的に指揮を執るという状況だった。

 「負けが続いているチームと対戦するときは早めに先制点を取れれば、相手は自信が揺らぐけど、時間がたってしまえば関係なくなる」と岩政は言う。先手を取りたい鹿島だったが、球際の競り合いでもセカンドボールの拾い合いでも、浦項の気迫に押され、後手を踏んだ。

 「セカンドボールを拾えなくて全体的に押し込まれて、あまり糸口の見えない試合だった。前半の段階でセカンドボールを拾われて、向こうに自信を持たせて、後半は余裕を持って守られた。最後のパワープレーも効果的ではなかったし、トーナメントの戦い方が意思統一できていなかった」。岩政は厳しい表情で話した。

 前日9日に城南一和に敗れたG大阪に続くベスト16敗退。これで日本勢4チームは全滅した。日本勢が1チームも8強に残らないのは、06年大会以来、4年ぶりだ。一方、韓国勢は4チームすべてが決勝トーナメント1回戦を突破。8強のうちの東アジア4枠を独占する対照的な結果となった。

 悲願のアジア制覇を目指してスタートさせたシーズン。試合終了の笛が鳴ると、DF新井場徹、DF内田篤人はピッチに倒れ込んだ。試合後のミックスゾーンもほとんどの選手が無言で通り過ぎるなどショックを隠し切れなかった。

 岩政は「こんなんでアジアを取れる力があるなんて言えない。Jリーグを3連覇しているからといって、自分たちに力があると勘違いするのではなく、この結果を受け止めないといけない」と言った。またしても“内弁慶”の汚名を返上することはできず、アジアの頂点への挑戦は、シーズン開幕から3ヵ月足らずにして幕を閉じた。

<写真>鹿島DF岩政
(取材・文 西山紘平)

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