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5年半ぶりダービー勝利のC大阪が8強へ、高橋大「歴史を塗り替えるいい舞台だった」

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[5.24 ACL決勝トーナメント1回戦 G大阪0-1C大阪 万博]

 歴史を塗り替えた。ACL初出場のセレッソ大阪が一発勝負の大阪ダービーを1-0で制した。05年12月24日の天皇杯準々決勝(3-1)を最後に公式戦で勝っていなかったG大阪から約5年半ぶりとなる勝利を挙げ、初のベスト8進出を決めた。

 殊勲の決勝点を決めたDF高橋大輔は「試合前から舞台が整った感じがあった」と言う。「今までのセレッソとガンバの歴史を振り返って、今日が歴史を変えるいい舞台だと思っていた。それが選手のプレッシャーを力に変えた要因だと思う」。大阪での試合ながら異例の前泊で決戦に臨んだ。試合前日のミーティング。クルピ監督は「歴史を変えるぞ」と選手にゲキを飛ばした。万博での勝利は03年7月12日以来、約8年ぶり。記録尽くめの勝利だった。

 ゴールしか見ていなかった。0-0で迎えた後半43分、中盤のルーズボールを拾ったMFマルチネスからMFキム・ボギョンとつなぎ、右サイドを駆け上がった高橋大のもとへ。ゴール前に走り込むC大阪の選手と、それに対応するG大阪守備陣。GK藤ヶ谷陽介がクロスを警戒し、前に出たところを見逃さなかった。

「なかなかすっきりシュートで終われていない時間帯だったし、GKもクロスへの対応が多かった。打ってもいいかなと思って、パスを受けた時点でシュートを狙っていた」

 思い切りよく右足を振り抜いたシュートはニアサイドを破り、豪快にゴールネットを揺らす。ゴールを確認した高橋大はゴール裏の柵を飛び越え、猛ダッシュ。サポーターの前で歓喜に酔いしれた。

「何も考えていなかった。全然点を取ってなくて、喜び方が分からなかった」。高橋大の公式戦での得点は昨年9月5日の天皇杯2回戦・富山新庄クラブ戦(4-1)以来、261日ぶり。大分時代からのチームメイトでもあるDF上本大海は「(高橋大が)大事な試合で決めたのは初めてですかね」と冗談めかして称えた。

「(ゴールは)運もあるし、たまたま僕が取ってだけ。だれが取っても目標は一緒だったし、おいしいところを持っていっただけ」。高橋大はそう謙虚に喜んだ。

「ACLでもJリーグでも、毎試合、毎回の練習で葛藤しながらやっている。そうやって我慢してやってきたことへのご褒美なのかなと思う」

 Jリーグでは今季6試合を戦いながらいまだ勝利がない(5分1敗)。なかなか波に乗り切れずにいたチームにとって、ACLのラウンド16という大舞台でライバルを破った意味は果てしなく大きい。リーグ戦での巻き返しへ、ACLでのさらなる上位進出へ。まだまだ塗り替えるべきページは残っている。

[写真]決勝点を決めた高橋

(取材・文 西山紘平)

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