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[MOM295]市立船橋MF河崎敬(3年)_万能型が10番不在の穴埋める

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.6 全国高校総体準決勝 市立船橋 1-0 桐光学園 具志川多種目球技場Aコート]

 「1年の時はサイドで選手権(予選)に出ているし、センターもできるユーティリティープレーヤー。きょうはとにかく球際でよく対応してくれたし、攻撃面でも絡んでくれた。マン・オブ・ザ・マッチ?そうですね。彼じゃないですか」。7度目の全国高校総体優勝に王手を懸けた市立船橋の石渡靖之監督が、決勝進出の立役者として名を挙げたのは今大会2度目の先発だったMF河崎敬(3年)だった。

 この日、市立船橋は中盤の核である10番MF藤橋優樹が累積警告のために出場停止。代役を任されたのは「自分はいろいろなポジションをできることでメンバーに入れた」と分析する河崎だった。決してスピードのある選手ではないが、豊富な運動量でセカンドボールに喰らいつき、球際でも戦う姿勢を出し続ける。この日の自身のプレーについては「立ち上がりとゴールを決めた後は押し込まれたし、あまりできた感じはしていません」と振り返るが、それでも桐光学園を無得点に抑えた勝利に、“代役MF”の力は欠かせなかった。

 1年時に名門の左サイドで先発を担っていた試合もある。だが、3年生で迎えたシーズンは先発する試合こそあるものの、交代カードとして終盤に起用されることが多い。「悔しくて何で出られないんだろうと思うこともあった」という。だが、現在は自分の特長を活かして、役割を全うすることだけを考えている。「ベンチでもチームが優勝するためにできることをやりたい」と笑顔で応えた。

 「藤橋を決勝に出させてあげられるように」と意気込んで臨んだという河崎は、しっかりとそのバトンを10番へつないだ。決勝はベンチスタートが有力だが、出場機会を与えられれば全力で走り回り、再び勝利に貢献するつもりだ。

(取材・文 吉田太郎)
写真協力『高校サッカー年鑑』

平成22年度全国高校総合体育大会「美ら島沖縄総体2010」
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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