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[MOM372]横浜FMユースMF松本翔(3年)_大舞台でまたも発揮された「脅威の勝負強さ」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.26 Jユースカップ決勝 横浜FMユース 4-3 F東京U-18 長居]

 またも横浜F・マリノスユースの「小さな巨人」MF松本翔がやってのけた。Jユースカップ決勝戦。延長戦に突入して試合時間が100分を記録したとき、162cmの小さな体が右サイドからのクロスに反応し、鋭くニアサイドへ滑り込むとヘディングで決勝点を奪った。

先制点は、松本のシュートのこぼれ球をチームメートが押し込んだもの。チームの2点目は、松本がドリブル突破で得たPKを自ら決めた。3点目は、松本が右からクロスを送ってアシスト。そして4点目が冒頭のヘディング弾。松橋力蔵監督は、全得点に絡んだ小さなエースに対し「強運の持ち主。ステージが上がるほど力を発揮する」と、その底力を評価した。夏前の段階では見送られる可能性が高かったトップ昇格を勝ち取ったのも、高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権という大舞台での活躍がきっかけだった。

 準々決勝のサンフレッチェ広島ユース戦では直接FKをたたき込んだが「セットプレーは、狩野(健太)さんと一緒に練習するけど、生で見ると学ぶことが多い。来年、毎日そういう刺激を受けられるのは良いと思う」と、プロの世界でのさらなる成長へ向上心をのぞかせた。来季からともにトップチームに所属するFW小野裕二も「大舞台での勝負強さは、見習わないといけない。キックの精度が高いから良いクロスが上がってくるし、スピードがあるのでドリブルもできて、シュートも上手い。相手にとっては嫌な選手だと思う。翔が持ったときはサポートに行ったり、おとりに動いたりしている。アシストをしてもらうというより、今年は互いに点を取った形。本当はもう少し2人(のコンビで)崩す場面ができれば良かった。それはまたプロでできればいいと思う」と、すでに自身が活躍を見せているトップチームでの共演に期待をかけた。

 この日の2得点で大会通算13得点。FC東京U-18のFW秋岡活哉と並んで大会得点王にも輝いた。大舞台に強いという特徴を考えれば、プロという一段上のステージで、松本の勝負強さはさらに磨かれるのかもしれない。

(取材・文 平野貴也)

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