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[MOM429]F東京U-18MF岩木慎也(3年)_“新エース”がノルマ果たすV弾

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.17 プレミアリーグイースト第2節 F東京U-18 3-1浦和ユース 深川]

 FC東京の逆転勝ちをもたらしたのは背番号7の「新エース」だった。
 
 浦和レッズユースにリードされて前半を折り返したF東京。前半はわずかなスペースでもあれば縦への突破を試みる左MF岩木慎也のドリブルを除くと、ほぼチャンスをつくりだすことができなかった。その武器も「自分のところには2、3人来ていた」(岩木)ことで時間が経過するにつれて封殺されていた。

 それでも後半、岩木は周囲を使うことで単調だった自分の仕掛けを改善することに成功する。そして5分、左サイドでパスを受けると、前を塞がれながらも「抜けると思った」とゴールライン際からの一瞬の加速でマーカーを外してラストパス。後方から飛び込んできたMF野沢英之に出されたボールは直後にゴールネットへと吸い込まれていた。

 個人で浦和ディフェンスを破る完ぺきなアシスト。ホームの東京ガス深川グラウンドを沸かせた岩木は歓喜の同点ゴールからわずか4分後、鮮やかな勝ち越しゴールで試合をひっくり返す。敵陣左中間で野沢からのパスを引き出すと、ダイレクトでのワンツーを敢行。FW岩田拓也からの折り返しを左足ダイレクトで逆サイドのゴールネットへ沈めて見せた。

 左サイド、ゴールまで角度のほとんどない位置からのシュートだったが、本人は「ファーを意識しているのでゴールは見えていた。角度がない方が得意なんで」とファインゴールにも余裕のコメント。やや寡黙な“弾丸ドリブラー”は、そのスピード溢れるドリブルと得点力で相手の脅威となり続け、チームのプレミアリーグ初勝利の立て役者となった。

 ライバルに負けたくないという気持ちが結果につながった。3月、今年U-18チームの10番を背負うMF橋本拳人がトップチーム登録。普段はトップチームに帯同しているチームメートについて岩木は「ビックリした。オレも早くなりたい。悔しい」と明かす。自分も結果を出して自分自身もトップチームへ。「公式戦では必ず1試合1点取りたい。自分が点決めてチームに貢献できるし、アピールできればいい」と岩木。U-18チームの公式戦に参加することが少なくなることが予想されるエース橋本不在の今年、初戦で「ノルマ」を達成したように、岩木は新たなエースとしてゴールで勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
特設:2011 プレミアリーグ

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