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[MOM436]浦和ユースMF矢島慎也(3年)_伝説的選手参考に名手躍動

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.8 高円宮杯プレミアリーグイースト第5節 浦和レッズユース4-1静岡学園高 埼玉スタジアム第2G]

 浦和レッズユース4発快勝の口火を切ったのは10番のMF矢島慎也だった。前半9分、「いいパスが来たんで。みんなで決めたゴール。みんなでパスして、動いてイメージの共有ができた」とMF繁田秀斗のラストパスを決めて先制ゴール。後半6分にはダイレクトでのラストパスをFW高田拓弥に通して「自分でもいい崩しができたと思う」というアタッカーは1得点1アシストの活躍で勝利に貢献した。

 今年はトップチームの鹿児島・指宿合宿に参加。強いパスでも足先で難なくトラップする技術の高さと相手の逆を取るドリブル、そして視野の広さを活かしたパスの配球、その精度も優れた注目の10番だ。「自分の武器はPA付近の攻撃で負けないこと。自分はここで負けちゃいけない。まだ波があるので、どの試合でもどの時間帯でも『好調』というようにしていきたい」と話す。

 「スピードはあまりないし、これといった武器がないのが欠点」と本人は分析するが、特長的なのはそのドリブルだ。PA付近で勝負する局面や中央突破で見せる相手をかわす力は、昨年に比べて個人で打開する選手の少ないチームにとって大きな武器となっている。

 その矢島の憧れの選手はリオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドといった現代の名手ではなく、元ポルトガルMFルイス・フィーゴや元イタリア代表FWロベルト・バッジオ。「逆をつくドリブルが好き。フィーゴはシザースとか織り交ぜながらやっている。きょうは引っかかってしまったけど、自分も1回完全に相手の逆を取ることができた。ワールドカップでバッジオが決めた3人抜きのドリブルシュートなんか本当すごい」。

 これまではあまり他のプレーを見ることがなかったが、チームメートの影響を受けて見るようにして心に残ったは自分と同じ特別なスピードを持たない名選手。彼らは抜群のスピードがなくてもその中でスピードに差をつけ、技術で相手をかわし、チームにゴールをもたらした。「サッカーを分かり始めてから見ると、また印象が変わった。自分も選択肢の幅とかもっと引き出し増やしたプレーがしたい」。決して身体能力に優れている訳ではない。ただ、一時代前の伝説的なプレーヤーを参考に多彩なイメージを頭に植え付け、実践しているMFが、パススタイルのチームのアクセントとなり、試合で再び決定的な仕事をする。 

(取材・文 吉田太郎)

特設:プレミアリーグ

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