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[MOM438]市立船橋FW和泉竜司(3年)_インハイ得点王実力示す2発

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プリンスリーグ関東1部
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.14 プリンスリーグ関東1部 市立船橋高3-1ジェフユナイテッド千葉U-18 グラスポ]

 全国高校総体得点王の実力を示す2発だった。名門、市立船橋高の10番を背負うFW和泉竜司主将は前半10分、右中間からPAへ送られたラストパスに反応すると、角度のほとんどない位置から「シュートしかイメージしていなかった。全然中見てなかったです。打とうと決めていた」と右足を振りぬく。強烈なスピンのかかった一撃はGKの手をかすめ、そのままゴール左サイドネットへと突き刺さった。
 
 会場をどよめかせた鮮烈ゴール。「自主練ではシュート練習しかしていない。いろいろなバリエーションでトレーニングしていたので」と浮かれた表情を見せずに静かに喜んだ。チームを波に乗せたエースはこのあとも正確なボールコントロールで相手の違いを生み出すと、守備面でも狙い済ましたインターセプトでボールを奪取。カウンター攻撃の起点となった。

 そして1-1の後半33分、MF藤本心が獲得したPKを右足でゴール左隅へと沈めて決勝ゴール。後半半ばにスライディングでラストパスを出した際に足を痛め、両足が攣りそうになりながらのプレーだったが、それでもエースはしっかりと仕事をしてのけた。

 2年生で出場した昨年の全国高校総体では3回戦の山梨学院戦で2得点を決めると、続く立正大淞南戦でハットトリックを達成。準決勝の桐光学園戦では決勝ゴール、そして滝川二との決勝でも同点ゴールを決めた。7得点で得点王に輝いたFWはその驚異的な勝負強さと技術の高さで全国Vの立て役者となった。

 以降、得点王の肩書きは常につきまとうが「プレッシャーはない。インターハイ得点王の名に恥じないようにやりたい。点に絡んで、点も取れるしアシストもできるし、守備もできる。全てで高いレベルで通用するようにしたい」。全国総体後はなかなかゴールという結果を出すことができなかった。それでも新シーズンのプリンスリーグはここまで4試合で5ゴール。プレッシャーを逆に楽しみながら、結果を出し続けている。

 エースと主将を兼任する今年の目標は再び日本一となること。ただこの日、チームリーダーの左腕にキャプテンマークをつけられていなかった。すでに手元に渡されているというが「まだキャプテンぽくない。キャプテンらしいことをしてから着けたい」。エースとしての役割をしっかりを果たしている和泉だが、責任感の強い新主将はさらなる役割を実行してから名門のキャプテンマークをその左腕に通す。

(取材・文 吉田太郎)特設:2011 プリンスリーグ

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