beacon

[MOM440]浦和ユースMF矢島慎也(3年)_「日本一世代越えへ」10番が全5ゴール絡む活躍

このエントリーをはてなブックマークに追加

高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プレミアリーグ イースト
[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.15 高円宮杯プレミアリーグイースト第6節 浦和レッズユース5-0尚志高 NACK]

 FW原口元気やDF高橋峻希、MF山田直輝らを擁して高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権を制した08年以来の日本一を狙う浦和レッズユース(埼玉)の10番が、わずか58分間の出場で全5得点に絡む活躍を見せた。

 MF矢島慎也は元ポルトガル代表MFルイス・フィーゴや元イタリア代表FWロベルト・バッジョといった往年のスターに憧れるテクニシャン。「自分よがりのプレーをするなと言われていた」と周囲を活かすことを意識しながらも、その存在感は際立っていた。まずは前半33分、敵陣左中間でボールを持つと、そのドリブルを警戒する相手DFをあざ笑うかのように最終ラインのギャップを突くスルーパス。FW堀田稜の絶妙な動き出しを見逃さずに出された一撃が先制点を生み出した。

 さらに直後の37分には敵陣でのインターセプトからドリブルで前進。相手DFにパスコースを消されていたが、すぐさま選択肢を切り替えて右足ミドルを放つ。ゴール正面左寄りの位置から放たれた強烈な一撃はゴールへと突き刺さり、追加点となった。10番はその後も左右両サイドでパスを引き出すと、相手の意表を突くパスも交えて相手ディフェンスを翻弄。40分には相手最終ラインの背後を突いてFW高田拓弥のスルーパスを受けると、完ぺきな折り返しをMF繁田秀斗へと通し、3点目をもたらした。

 さらに後半8分には右サイドから放った強烈な右足シュートのこぼれ球を高田が詰めて4点目。11分に左サイドから仕掛けて出したラストパスは相手DFの腕付近に当たったものの、こぼれ球を高田が決めて5-0となった。役割を果たした10番はここで交代。抜群のパフォーマンスだったが「得点に絡んだのはうれしいけど、アシストは両翼の2人(堀田と鈴木悠太)が裏を取ってくれたりしたおかげ。みんなで崩せた。練習していることが出せた」とチームメートへの感謝も忘れなかった。

 この日の勝利でチームはコンサドーレ札幌U-18(北海道)をかわし、暫定首位浮上。矢島は「(原口、高橋ら)あの代と同じじゃなく、越えていける力をつけて優勝したい」。名古屋グランパスU18(愛知)との全国大会決勝で決勝戦史上最多の9ゴールをたたき出し、その後計6選手がトップチームへ昇格した08年のチームを実力で、結果で上回るチームをつくるため、10番はこれからも役割を果たし続ける。 
 
(取材・文 吉田太郎)
特設:2011 プリンスリーグ

TOP