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[MOM442]かえつ有明MF中村哲平(3年)_窮地救った10番の右足

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.25 高校総体東京都予選準決勝 かえつ有明1-1(PK6-5)帝京 駒沢第2]

 沈みかけていたチームを蘇らせる一撃だった。0-1と1点リードされた後半35分、かえつ有明はMF中村光春がゴール正面右寄りの位置でFKを獲得。ボールの後方には左利きのMF浜田航と10番MF中村哲平が並ぶ。いち早く助走に入った中村哲が右足を振りぬくと、ボールは7枚の壁を鮮やかに越えてゴール左隅へと吸い込まれた。

 前半から局面の厳しさで上回る伝統校・帝京に押し込まれたチームは必死のディフェンスで対抗していたものの後半20分、ついに堤防が決壊。後方から前線へ飛び出してきた選手に対応できず、PKで先制されてしまった。かえつ有明はカウンターから中村哲が起点となり、FW橋村圭太がポストを叩く右足シュートを放つなど反撃したが、その後も帝京の猛攻は止まらず。押し切られる直前まで追い込まれていた。

 その劣勢を一発で救った10番の右足。失点のショックで帝京の選手たちが頭を抱えるなか、右手を突き上げてジャンプした中村哲は、すぐさまベンチの控え選手たちの下へ駆けつけて喜びを分かち合っていた。元アビスパ福岡DFの中込正行監督は大仕事をしてのけた中村哲について「勝負強い方の選手だと思っている」と信頼。そして同時に「ゲーム中は存在を消している場面もあるので(苦笑)。もうチョット頑張って欲しいと思っている」とさらなる活躍を期待した。

 創部6年目で初の全国大会出場を決めたかえつ有明。チームを全国へ導くFKを決めた10番が今度はチームに全国初勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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